日時：7月4日（水）15時30分から
場所：つくばキャンパス 研究本館 小林ホール / 東海キャンパス 東海1号館116室（ＴＶ会議中継）
題 目：金・白金はどこで、どのように生れたのか-WNSCのアプローチ-
講演者：宮武 宇也 氏（ＫＥＫ和光原子核科学センター）
要旨：
物質の起源と銀河の進化を探求する宇宙核物理と呼ばれる研究領域は、宇宙物理、天文観測、原子核物理などの研究者が連携して急速に進化を遂げている領域です。原子核物理のセクターでは、短寿命原子核などが介在する元素合成過程を地上の加速器実験で再現し、起源天体の解明・特定を目指しています。２０１６年度より共同利用を始めた和光原子核科学センター（WNSC）の元素選択型質量分離器（KEK Isotope SeparationSystem；KISS)も、宇宙核物理に寄与するために設置された装置です。この装置によるおもな研究課題は、天体における重元素合成過程、特に金や白金を生み出した速い中性子捕獲(r-)過程の研究を通じて、爆発的天体現象の解明を行う点にあります。このコロキウムでは、最近の中性子星合体天文観測からのインパクトも含めて、KISSプロジェクトの一端をご紹介したいと思います。
