日時:7月29日(月)15時30分から
場所:つくばキャンパス 4号館1階セミナーホール / 東海キャンパス 東海1号館116室(TV会議中継)
題 目:ゆらぎで探る量子液体
講演者:小林 研介氏(東大・阪大)
使用言語:日本語
要旨:
半導体や金属を微細加工して作られる微小な固体素子をメゾスコピック系と呼ぶ。
その最大の特長は、量子効果が本質的なスケールにおいて、磁場や電場などの外場を利用することで、制御性の高い精密な実験が可能となる点にある。
たとえば、電子干渉計や人工原子等で発現するコヒーレンス・スピン・多体効果に依存する伝導の研究は、物性物理学の発展に大きな貢献を果たしてきた。
これまで、メゾスコピック系における実験研究の多くは、系の電気伝導度測定を主体とするものであった。しかし、近年、非平衡状態の動的な情報を得る手段として、電流ゆらぎ(電流雑音)測定が大きな関心を集めている[1]。
本講演では、まず、メゾスコピック系と電流ゆらぎについて紹介する。さらに、近藤効果によって、人工原子に形成された量子液体のゆらぎについて、議論する[2-5]。
[1]K. Kobayashi, Proc. Jpn. Acad., Ser. B 92, 204 (2016).
[2]Y. Yamauchi et al., Phys. Rev. Lett. 106, 176601 (2011).
[3]M. Ferrier et al., Nature Phys. 12, 230 (2016).
[4]M. Ferrier et al., Phys. Rev. Lett. 118, 196803 (2017).
[5]T. Hata et al., Phys. Rev. Lett. 121, 247703 (2018).
なお、講演に先立ち、15時過ぎから自由な懇談の機会を設けます。
お早めにお越しいただくと、講師や他の研究分野の方々とも気楽に交流することができます。ぜひこの機会をご活用ください。
世話人
磯暁、 板倉数記、宇野彰二、三原智 (素核研)
岩野薫、門野良典、倉本義夫、村上洋一(物構研)
連絡先
板倉 内線6090: kazunori.itakura@kek.jp