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KEK

第14回 KEK連携コロキウム「物質科学と高エネルギー物理が拓く非平衡物理のフロンティア」

KEK連携コロキウム

タイトル:物質科学と高エネルギー物理が拓く非平衡物理のフロンティア

日時:9月24日(木)16時から

講演者:岡 隆史 氏(東京大学 物性研究所,マックスプランク複雑物理学研究所)

開催場所:オンライン(Zoom)

アブストラクト:

ディラック・ワイル半金属など多彩な量子物質の発見により、物性物理と高エネルギー物理の間の分野間交流は理論のみならず実験も含め近年盛んになっている。分野によって視点が異なるため、俯瞰的にみることで思いもよらない発見がありえる。本講演では強力な電場で駆動されたディラック・ワイル系を舞台として、講演者が関わった非平衡物理の研究について紹介する。特に現象のエッセンスとなる「からくり」について、できるだけ分かりやすく紹介したい。従来の物質の光応答の理解は摂動論的である。そこではエネルギー保存則や光学選択則が現象理解の基礎となっている。ところが、電場が強くなると摂動展開や保存則は破綻し、時間変動する系特有の動的現象がおきはじめる。そのような例として、①粒子・反粒子対のシュインガー機構による対生成、②フェルミ球の運動や変形に伴う非摂動的トポロジカル電流の発生、③周期駆動外場によるフロッケ・トポロジカル状態の実現などがあげられる。1つの物理系で、これらの複数の現象を、複数の手法(自由場の理論、古典ボルツマン方程式、ホログラフィーなど)で研究していくと、共通点や差異などがみえる とともに、新しい”非平衡物理の学理”がおぼろげに浮かび上がってくる。

今回は,Zoomを用いてオンラインで行います。参加希望の方は、お手数ですが、https://research.kek.jp/people/hidaka/colloquium/#registration よりご登録ください。様々な分野からの参加をお待ちしております。

世話人
磯暁,日高義将,宇野彰二,三原智(素核研)
岩野薫,門野良典,村上洋一(物構研)