中性子・ミュオンユーザーの裾野拡大や関連分野の若手育成を目的とし、第10回中性子・ミュオンスクールを開催します。
量子ビームである中性子線・ミュオン線は、物質研究における非常に強力なプローブです。中性子線は、X線回折とは異なる散乱強度を生かした結晶・磁気構造解析から、小角散乱による高分子のナノ〜サブマイクロ構造を観測することができます。準弾性、非弾性散乱測定により、meVオーダーの分子運動や格子振動、磁気励起などのダイナミクスを調べることができます。透過力を生かしたイメージング測定や反射率による表面・界面の解析が可能です。ミュオン線も高い感度を持った磁気局所プローブとしてバルク・薄膜試料の磁気秩序やそのダイナミクスを検出することができます。超低速ミュオンによる表面・界面の観測や、新たな測定手法として、超低速ミュオンの再加速により得られるビームを利用したミュオン顕微鏡などが開発されています。また中性子線や負ミュオンでは、元素固有のγ線やX線の発生による非破壊分析も可能にしています。こうした様々な測定手法を活かして、物性の基礎研究から、ハード・ソフトマターの機能性材料の研究、さらには、鉄鋼・コンクリートといった構造材料の評価、考古学・文化財の非破壊評価と幅広い分野で利用されています。
本スクールでは、中性子・ミュオンの特性とその実験手法を、世界で活躍する第一線の研究者による講義によって学びます。さらに、大強度陽子加速器施設J-PARC MLFと、研究用原子炉JRR-3の実験装置を用いた実習を行うことで、その理解を深めることができるプログラムとなっています。例年は国際スクールとして英語を使用言語として開催しておりましたが、今年度は国内の大学生、大学院生、若手研究者により中性子・ミュオンビームを用いた物質研究を基礎からしっかり理解していただくために、日本語で開催いたします。ふるってご応募いただければ幸いです。また、すでに中性子・ミュオンビームを利用されている(あるいは今後利用を検討されている)研究室主催者や管理職の皆様におかれましては、学生や若手研究者の教育の場としてぜひこのスクールの活用を検討し、該当者の参加を後押ししていただければ幸いです。
| 日時: | 2026年11月9日(月)〜11月13日(金) |
| 場所: | AYA’S LABORATORY量子ビーム研究センターおよびJ-PARC MLF, JRR-3 |
| 対象者: | 大学生、大学院生、ポスドク、若手研究者(アカデミック、企業) |
| 定員: | 35名程度 |
| 内容: | 中性子・ミュオン科学の基礎とその応用に関する講義とJ-PARC MLFとJRR-3の実験装置を用いた実習 |
| 使用言語: | 日本語(原則) |
| 応募方法: | webサイトよりお申し込みください |
| 応募締切: | 2026年8月31日 |
| 参加費: | ¥40,000(スクール期間中の食事、宿泊代含む) |
| 連絡先: | nm-school[at]cross.or.jp ※[at]を@に代えてお送りください |
| webサイト: | https://conference-indico.kek.jp/event/378/ |