MSL

第9回 文理融合シンポジウム 量子ビームで歴史を探る ー加速器が紡ぐ文理融合の地平ー

シンポジウム
2024年9月 9日

 KEK物構研では、ユニークな特徴を有するJ-PARC MLF(MUSE)の世界最高強度の負ミュオンビームの優位性を活かし、文化財をはじめとする人文科学資料の研究にも活用できる可能性を秘めた、新たな非破壊研究手法を開発してきた一方、これまでも放射光や中性子などを用いて、様々な文化財科学の研究が行われています。そこで、放射光・中性子・ミュオンなどの量子ビームを利用する文化財研究の第一人者が一堂に会して、これまでの考古学研究、並びに関連研究、更に分析技術を紹介し、文理融合研究の可能性を探る本シンポジウムを開催するに至りました。2019年度に第1回文理融合シンポジウムを国立科学博物館において開催してから、8回のシンポジウムを開催し、有意義な時間を共有してきました。第9回もミュオンのみならず中性子、放射光を用いた目覚ましい文理融合研究の成果や施設の各種性能向上などを、皆様で共有したいと思います。
 皆様の御参加をお待ちしております。

 なお、11/2(土)には、以下の先生方の一般講演を企画しております( 詳細 )。 一般の参加者向けにオンライン配信いたしますが、シンポジウムにご参加いただく方は、会場でご講演をご聴講いただけます。

▪「宇宙線ミューオンイメージングによるクフ王ピラミッドの新空間の発見」
    森島邦博 准教授(名古屋大学)
▪ 「源氏物語と平安時代-1000年前はどのような時代だったか」
    小倉 慈司 教授(国立歴史民俗博物館)
▪ 「新アカデミズム=文理融合と年縞博物館(Part 2:取材40年、アキハバラの真実)」
    山根 一眞 特別館長(福井県年縞博物館)

世話人代表:下村浩⼀郎 (KEK物構研)


  • 開催日:2024年 11月 1日(金) ~ 11月 2日(土)
  • 開催地: 秋葉原コンベンションホール アクセス・利用案内
  • プログラム:第9回プログラム
  • 参加登録 : https://forms.gle/CCMcRMwoUgWK3Q6LA
  • 参 加 費  :無料
  • お問い合わせ先:bunri_yugo@ml.post.kek.jp

  • 主催:高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所
  • 共催:国立科学博物館、人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館、総合研究大学院大学
  • 協催:J-PARCセンター、大阪大学 核物理研究センター(RCNP)、日本中間子科学会、 大阪大学フォアフロント研究センター・先端ミューオン科学による文理協力型学術創出プロジェクト、 SPring-8ユーザー協同体(SPRUC)文化財研究会、学際領域展開ハブ形成プログラム「人文科学と材料科学が紡ぐ新知創造学際領域の形成」

  • 世話人:代表 下村浩一郎(KEK)、三宅康博(KEK)、齋藤努(国立歴史民俗博物館)、沓名貴彦(国立科学博物館)、久保謙哉(国際基督教大学)、竹下聡史(KEK)、梅垣いづみ(KEK)、反保元伸(KEK)、雨宮健太(KEK) 、入江敦子(KEK)


  •  

    プログラム

    11月 1日(金)13:00~
    講演時間【質疑含む】 講演題名 講演者
     座長:下村浩一郎 
    13:00 - 13:10 挨拶 雨宮健太(KEK 物質構造科学研究所)
    13:10 - 13:25 キプロス研究所における文化財研究 小杉信博(大阪大学 核物理研究センター)
    13:25 - 13:55 新知創造学際ハブプロジェクトでつなぐ文化財・自然史財研究と材料科学研究 藤田全基(東北大学 金属材料研究所)
    13:55 - 14:25 負ミュオン捕獲X線による文化財の深さ方向元素分析 反保元伸(KEK 物質構造科学研究所)
    14:25 - 14:55 蛍光X線マッピング分析の現状とミュオン三次元元素マッピングへの期待 沓名貴彦(国立科学博物館 理工学研究部)
    14:55 - 15:40 休憩・写真撮影
     座長:反保元伸 
    15:40 - 16:10 文理融合研究を目指す水中考古学研究 池田榮史(國學院大學 研究開発推進機構)
    16:10 - 16:40 歴史資料を対象としたSr同位体分析を用いた漆原産地の推定法 若木重行(国立歴史民俗博物館 研究部)
    16:40 - 17:10 陶器の分光計測 猿倉信彦(大阪大学 レーザー科学研究所)
    17:10 - 17:40 ミュオンによる鉄鋼中微量炭素の深さ方向分析ー日本刀への応用ー 久保謙哉(国際基督教大学 教養学部)
    17:40 - 18:00  
     司会:竹下聡史 
    18:00 - 20:00 懇親会  
     
    11月 2日(土)10:00~
    講演時間【質疑含む】 講演題名 講演者
     座長:沓名貴彦 
    10:00 - 10:30 佐渡島の金山 -世界文化遺産としての価値と魅力- 宇佐美亮(佐渡市教育委員会 世界遺産推進課)
    10:30 - 11:00 考古遺構と背景天体の可視化ソフト"arcAstro-VR"を使った考古天文学 関口和寬(自然科学研究機構 共創戦略統括本部/自然科学研究機構 国立天文台)
    11:00 - 11:30 日本における出土ガラス資料の保存科学的調査 比佐陽一郎(奈良大学 文学部)
    11:30 - 12:00 銅製文化財の劣化を引き起こすBlack Spotsとは何か? 柳田明進(国立文化財機構 奈良文化財研究所)
    12:00 - 13:30 休憩・写真撮影
     司会:梅垣いづみ 
    13:30 - 13:35 挨拶 船守展正(KEK 物質構造科学研究所)
    13:35 - 14:15 一般講演:宇宙線ミューオンイメージングによるクフ王ピラミッドの新空間の発見 森島邦博(名古屋大学 大学院理学研究科)
    14:15 - 14:25 休 憩
    14:25 - 15:05 一般講演:源氏物語と平安時代-1000年前はどのような時代だったか 小倉慈司(国立歴史民俗博物館 研究部)
    15:05 - 15:15 休 憩
    15:15 - 15:55 一般講演:新アカデミズム=文理融合と年縞博物館(Part 2:取材40年、アキハバラの真実) 山根一眞(福井県年縞博物館)

     


    関連記事