IMSS

文理融合シンポジウム 一般講演会

一般向けイベント

大河ドラマ「光る君へ」で話題の平安時代の文化を深掘りし、自然の年縞を通じて過去の環境を読み解きます。そして、最新技術の宇宙線ミュオンイメージングを用いたクフ王ピラミッドの新空間発見について紹介します。歴史と科学の交差点で新たな知識と発見を楽しみませんか。ハイブリッド(現地とオンライン)で開催します。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。

講演


宇宙線ミューオンイメージングによるクフ王ピラミッドの新空間の発見

名古屋大学大学院 理学研究科 森島邦博 准教授
専門:素粒子宇宙物理学

宇宙線の主成分であるミューオンの物質に対する高い透過力を利用し、X線レントゲン撮影では調べられない大きな構造物の内部を可視化する新しい技術「宇宙線ミューオンイメージング」の開発を進めています。2015年からこの技術を用いて、エジプトのクフ王のピラミッドを対象に未知の内部構造探査を進めてきました。その結果、2016年にはピラミッドの北面背後に通路状の空間を発見し、2017年にはピラミッドの中心部に巨大な空間を発見しました。その後、宇宙線ミューオンイメージングによる追加調査で通路状の空間の詳細な位置を特定し、2023年にはファイバースコープを用いて4500年前の状態を保った通路状の空間の撮影に初めて成功しました。本講演では、ミューオンを活用することで新たな発見をもたらしたピラミッド調査について詳しくお話します。

森島邦博 准教授の写真

源氏物語と平安時代-1000年前はどのような時代だったか

国立歴史民俗博物館 小倉慈司 教授
専門:日本古代史・史料学

『源氏物語』は今から1000年ほど前、紫式部によって著わされた長編物語です。平安時代の貴族社会を舞台としているところから、文学にとどまらず歴史学からも研究が進められてきました。同時代だけでなく、時代が異なる他史料との比較、また様々な分野の研究などを参考にすることによって、平安時代の天文や気象、災害、生活観、食文化、疾病などといったこれまでに明らかにされてきたことの幾つかをご紹介したいと思います。

小倉慈司 教授

新アカデミズム=文理融合と年縞博物館
(Part 2:取材40年、アキハバラの真実)

福井県年縞博物館 山根一眞 特別館長
専門:ノンフィクション作家(先端科学技術のアウトリーチ・プロデュース)

2023年、東北大学金属材料研究所(IMR)は7つの参画機関と連携し「 新知創造学際ハブ(IKH)」を立ち上げました。これは、IMRの材料科学のノウハウと分析インフラを、考古学や歴史学など人文科学に貢献しようという画期的なムーブメントです。貴重な文化財は分析のために試料を破壊することができませんが、素粒子ミュオンや中性子イメージング、放射光など文系機関には敷居が高かった分析ノウハウと先進分析インフラを利用することによる新発見が期待されており、新しいアカデミズムの創造を目指しており若い世代の育成も大事な使命です。私は年縞博物館の一員として、また IMRと参画文系機関の橋渡し役の任を受けています。

なお会場が秋葉原であるため、「おまけスピーチ」として40年にわたる取材で明らかになったアキバ世界を少しお話します。

山根一眞 特別館長の写真

開催概要

  • 日時:11月2日(土)13:30〜16:00
  • 対象:中学生以上
  • 参加費:無料
  • 現地開催場所:秋葉原コンベンションホール(東京都千代田区外神田1丁目18-13 秋葉原ダイビル 2F)
  • 現地開催定員:200名(先着順)
  • オンライン定員:300名(先着順)
  • お申込み:現地、オンラインのどちらも事前申込みが必要です(お申込みにはPeatixへの会員登録が必要です)
  • お申込み締切:当日(11/2)13:30

プログラム詳細

13:30〜13:35 ご挨拶 船守展正 所長(KEK IMSS)
13:35〜14:15 宇宙線ミューオンイメージングによるクフ王ピラミッドの新空間の発見 森島邦博 准教授
(名古屋大学大学院 理学研究科)
14:15〜14:25 休憩
14:25〜15:05 源氏物語と平安時代-1000年前はどのような時代だったか 小倉慈司 教授
(国立歴史民俗博物館)
15:05〜15:15 休憩
15:15〜15:55 新アカデミズム=文理融合と年縞博物館
(Part 2:取材40年、アキハバラの真実)
山根一眞 特別館長
(福井県年縞博物館)
15:55〜16:00 アンケートへのご回答

お申込み

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文理融合シンポジウム一般講演会参加申込み

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この一般講演会の開催について

この一般講演会は、放射光・中性子・ミュオンなどの量子ビームを利用する文化財研究の第一人者が一堂に会して、これまでの考古学研究、並びに関連研究、更に分析技術を紹介し、文理融合研究の可能性を探る文理融合シンポジウムのプログラムの一部として開催されます。

第9回 文理融合シンポジウム 量子ビームで歴史を探る ー加速器が紡ぐ文理融合の地平ー

お問合わせ先

文理融合シンポジウム 世話人
電話:029-864-5631
メール:bunri_yugo[at]ml.post.kek.jp
[at]を「@」に置き換えてください。