No.25 2018年9月発行
空を見上げる地球人にとって、人とは言わないまでも「地球の外に生命はいるのか」とは、古今東西、湧き上がる自然な問いなのかもしれない・・・。
文部科学省のプロジェクト 「新学術領域研究 水惑星学の創成」分析班は、活動の場の一つとしてフォトンファクトリー(PF)の活用を計画している。分析班の代表、金沢大学の福士 圭介 准教授、試料の加工・分析を担う 東京大学の博士研究員 菅 大暉さん、PFの木村 正雄 教授、武市 泰男 助教にお話を伺った。
PFの実験ホールでは、今年春に旧BL-19の解体が終わり、新BL-19の骨格ができあがっています。 来年度初頭に共同利用に供するべく、物構研内外の多くの方々が協力し急ピッチで作業が進められています。
クライオ電顕は透過型電子顕微鏡(TEM)の一種で、凍結したまま試料を観察できることから、壊れやすい生体高分子、特に分子量の大きなタンパク質複合体の観察に適しています。現在、構造生物学分野では、クライオ電顕が、放射光を用いたX線結晶構造解析と並ぶ生体高分子の立体構造解析手法になりつつあります。
2017年、日本医療研究開発機構(AMED)でクライオ電顕の導入が検討され、長年のPFでのX線結晶構造解析分野における共同利用支援の実績が認められてSBRCが予算を獲得しました。SBRCは国内の生物分野でのクライオ電顕共同利用の中心的役割を担う予定です。 2018年2月に、KEKつくばキャンパス中央にあるCOI棟に機器が搬入され、メンバーは測定技術の向上に努めています。今後、クライオ電顕と放射光を活用した研究成果が期待されます。
物質・生命科学実験施設 MLFでは世界最高レベルの強度の陽子を用いた核破砕反応により、世界最高強度のミュオンおよび中性子ビームを発生させるべく、現在のほぼ倍の出力1MWでの運転を目指しています。
7/3、種々の試験に続いて、1MW 1時間連続運転試験が行われました。物構研ではミュオン標的グループが制御室などで作業にあたり、ミュオン・中性子の各ビームラインでは、遮蔽能力の確認や標準試料の測定、データ収集システムの確認などを行いました。
MLFのようすです。
今年は第2実験ホールが公開されました。
J-PARC 施設公開特設サイト:J-PARC施設公開2018
物構研関連の出展についてご紹介します。
来年も一般公開を開催します。今までフォトンファクトリーに来たことがない方、実験のときしか来たことがないという方も普段とは違うスタッフに会いに、ぜひ足をお運びください。楽しんでいただける企画を考えてお待ちしています。もちろん、リピーターさんも大歓迎です!