No.35 2022年3月発行
KEKつくばにミュオン実験施設があったころ、研究者たちは加速器から生み出されるミュオンを、さらに鋭く絞れる「超低速ミュオン」にしようと努力を重ねた。物質表面や界面の研究に使うためだ。実験施設は東海村に移り、ミュオンビームは強度を増した。そしていま、超低速ミュオンはミュオン顕微鏡として開花しようとしている。
物構研ハイライト 2022/01/31 超低速ミュオンの夢が花開くとき~世界初のミュオン顕微鏡 試作機完成へ~
物構研のチョコレイト・サイエンスはココアバターの結晶構造を調べるミクロな食品物理学ですが、こちらはマクロな食品物理学です。
物構研ハイライト 2022/02/07 歯医者×放射光×介護食
「人はものを食べるとき、歯と舌とほっぺの筋肉を総動員して、食べ物を小さくし唾液と混ぜてかたまりにして飲み込みます。この『小さくまとめる』という機能が失われたり弱くなっている人のために、あらかじめ飲み込みやすい形状にする必要があるんです。」総合研究大学院大学(総研大)高エネルギー加速器科学研究科(高エネ研究科)物質構造科学専攻4年生の三木 宏美さんが介護食品について説明してくれた。三木さんは、歯科医師として働きながらKEKに通い放射光を使った研究を行っている。
物構研 中性子科学研究系の瀬戸 秀紀教授が、2021年度の日本中性子科学会 学会賞を受賞しました。日本中性子科学会 学会賞は、中性子科学の進歩発展に寄与しその業績が顕著な者に対して授与されるものであり、受賞テーマは「中性子散乱のソフトマター研究への応用と発展」です。
瀬戸教授は、長年にわたりソフトマター研究に必要不可欠な中性子実験装置群の開発や利用研究に尽力し、物性物理学をベースとしたソフトマター研究において顕著な成果を挙げました。
瀬戸教授のコメント:受賞できたのは、助言と励ましを頂いた先生方、一緒に問題を解決してきた共同研究者、そして共に学んできた学生と若手研究者の皆さんのおかげです。 どうもありがとうございました。
物構研トピックス 2021/12/09 中性子科学研究系の瀬戸 秀紀 教授が日本中性子科学会 学会賞を受賞
KEKの野村 昌治 名誉教授が、日本放射光学会 第5回 放射光科学賞を受賞しました。放射光科学の進展に大きく貢献した研究者の功績を讃える賞で、受賞理由は「XAFS計測技術の開発による放射光科学への貢献」です。
実験環境整備とともに功績の象徴とも呼べるのが、X線吸収分光(XAFS)実験を行う研究者のための「XAFS実験ステーション利用の手引き」です。ウェブから情報を得られなかった時代、この手引きは「日本のXAFS実験のバイブル」であり、赤線を引いてぼろぼろになるまで使い込んだ研究者は少なくありません。野村名誉教授はハードとソフト両面での貢献で多くの研究成果創出を支えました。
物構研トピックス 2022/01/26 野村昌治 名誉教授が日本放射光学会 第5回放射光科学賞を受賞
量子のスピンが気になる人のための、物理の教科書には書かれていないスピンのお話です。文系の方にも分かるように、丁寧に用語を解説、実験例を多く紹介して、できるだけ数式を使わないスピンの解説を試みています。
関連ページ:物構研 私にスピンをわからせて!