文化財をはじめとする人文科学資料研究への活用が期待される「負ミュオンを用いた新たな非破壊研究手法」の実用化を、今、日本の研究グループが精力的に推進しております。高エネルギー加速器研究機構・物質構造科学研究所では、茨城県東海村にあるJ-PARC MLFミュオン施設(MUSE)で世界最高強度のパルス負ミュオンビームを用いた分析が進められており、また、大阪大学核物理研究センター(RCNP)でも、連続負ミューオンビームによる非破壊分析が活発に実施されています。 これまでも放射光や中性子などを用いて、様々な文化財科学の研究が行われておりますが、さらにミュオンも加えて、量子ビームを利用する文化財研究の第一人者が一堂に会して、これまでの考古学研究、並びに関連研究、更に分析技術を紹介し、文理融合研究の可能性を探る本シンポジウムを開催します。第1回目のシンポジウムは、今年7月に東京国立科学博物館で開催しましたが、この度、関西方面の方々にも広く参加して頂くために、第2回目のシンポジウムを大阪で開催することとなりました。 全国の大学・博物館・研究所等の人文科学研究者と自然科学研究者とのネットワークの形成に向けて、新たな文理融合プラットフォームを構築する一助となる事を期待しています。皆様のご参加をお待ちしております。
世話人代表:三宅康博(KEK物構研)、佐藤朗(大阪大学)
参加のお申し込みは、電子メールでお送りください。
☞ 懇親会参加申し込み締切:12月 20日(金)厳守
☞ 参加登録締切:12月 25日(水)会場での当日受付も可
件名:文理融合シンポジウム申し込み
メール本文:以下の項目をご記載ください。
※懇親会費は後日ご案内いたしますので、当日受付にてお支払いください。
12月25日(水)13:00~ | ||
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開始 - 終了時刻 | タイトル | 講演者 |
13:00-13:30 | 参加登録 | |
13:30-13:40 | 開会の辞 | 三宅康博 |
13:40-14:10 | 量子ビームによる文理融合研究 ーJ-PARCにおけるミュオン非破壊分析ー |
三宅康博(KEK物質構造科学研究所) |
14:10-14:40 | 英国理研-RAL施設とミュオン利用分析 | 石田勝彦(理化学研究所) |
14:40-15:10 | 大阪大学RCNP-MuSIC施設とミューオン分析 | 佐藤朗(大阪大学) |
15:10-15:25 | 休 憩 | |
15:25-15:55 | 金属製文化財の保存処理と非破壊分析 | 植田直見(元興寺文化財研究所) |
15:55-16:25 | 負ミュオンによる歴史資料の完全非破壊分析 | 齋藤努(国立歴史民俗博物館) |
16:25-16:55 | 青銅内部の非破壊元素分析と非破壊同位体分析の試み | 二宮和彦(大阪大学) |
16:55-17:25 | 放射化分析法を用いたはやぶさ2の回収試料の分析 | 白井直樹(首都大学東京) |
17:25-18:00 | 集合写真 + 休憩 | |
18:00-20:00 | 懇 親 会:大阪大学中之島センター 9階 交流サロン | |
12月26日(木)9:00~ | ||
開始 - 終了時刻 | タイトル | 講演者 |
8:55- 9:00 | アナウンス | |
9:00- 9:25 | J-PARC MUSEにおけるミュオン分析 | 反保元伸(KEK物質構造科学研究所) |
9:25- 9:50 | ミュオン分析に古墳時代研究が期待するもの | 清家章(岡山大学) |
9:50-10:15 | 銅鏡のミューオン非破壊成分分析と鉛同位体比分析についての展望 | 南健太郎(岡山大学) |
10:15-10:40 | 考古学的フィールド調査のサイクルと科学分析 ー京都府篠窯跡群での調査を例にー |
上田直弥(大阪大学) |
10:40-11:05 | 鉄製品中の微量炭素の非破壊定量分析 | 久保謙哉(国際基督教大学) |
11:05-11:20 | 休 憩 | |
11:20-12:35 | ポスターセッション | |
12:35-14:05 | 昼食 | |
14:05-14:30 | 非破壊での鉄鋼文化財研究の新展開:放射光・中性子・ミューオンの相補利用の可能性 | 田中眞奈子(昭和女子大学) |
14:30-14:55 | 負ミュオンを用いた金貨の表面処理に関する非破壊分析 | 沓名貴彦(国立科学博物館) |
14:55-15:20 | 緒方洪庵の薬箱研究:非破壊的医療文化財分析法の開発と実践 | 髙橋京子(大阪大学) |
15:20-15:35 | 集合写真 + 休憩 | |
15:35-16:00 | ミュオンを利用した考古学研究の動向と展望 | 松本直子(岡山大学) |
16:00-16:25 | 磁気センサーミュオンを用いた新たな非破壊検査法の検討 | 竹下聡史(KEK物質構造科学研究所) |
16:25-16:50 | TES超伝導X線検出器が切り拓くミュオンビーム元素分析の展望 | 東俊行(理化学研究所) |
16:50-17:00 | 閉会の辞 |
2019/12/26(木)ポスターセッション 講義室702 | ||
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ポスターID | タイトル | 講演者 |
P01 | 「宇宙線負ミュオンによる大型NaI(Tl)検出器を用いた非破壊研究手法の確立」ー陸奥鉄の解析ー | 荒久田周作(大阪大学) |
P02 | 「宇宙線負ミュオンによる中性子検出器を用いた非破壊研究手法の確立」ー重水素ボンベでの触媒核融合の検出ー | 若林寛之(大阪大学) |
P03 | 負ミューオンビームを用いた隕石の非破壊元素分析 | 室田雄太(大阪大学) |
P04 | MuSICを用いたミューオン核変換の研究 | 西川凌(大阪大学) |
P05 | 大阪大学RCNP-MuSICのDCミューオンビームとミューオン分析法 | 友野大(大阪大学) |
P06 | 二次元検出器を用いたミュオンによる文化財の3次元元素イメージング法の開発 | 邱奕寰(大阪大学) |
P07 | ミューオンによる非破壊元素マッピングに向けた高空間分解能ガス検出器の開発 | 堀孝之(大阪大学) |
P08 | 文化財の産地分析に向けたミュオン特性X線による非破壊同位体分析法の開発 | 工藤拓人(大阪大学) |
P09 | ミュオン特性X線測定による文化財の酸化状態特定の可能性検討 | 梶野芽都(大阪大学) |
P10 | 宇宙線ミューオンを用いたオンサイト非破壊元素分析システムの開発 | 佐藤朗(大阪大学) |
P11 | 考古資料における理科学分析導入と実践の展望(1) | 木村理・飯塚信幸・谷本峻也・ 西浦熙・野島悠之・樋口太地・ 渡邊都季哉(大阪大学) |
P12 | 考古資料における理科学分析導入と実践の展望(2) | |
P13 | 考古資料における理科学分析導入と実践の展望(3) | |
P14 | 考古資料における理科学分析導入と実践の展望(4) | |
P15 | 青銅器の放射性炭素年代測定法の可能性と問題点ー加熱分解温度の上昇に伴う年代値の変化ー | 小田寛貴(名古屋大学) |
P16 | J-PARC MLFでの低速負ミュオンビーム取り出しについて | 名取寬顕(KEK) |
高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所 三宅康博
E-mail: bunri_yugo@ml.post.kek.jp
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