平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により、日本原子力研究開発機構(JAEA)と高エネルギー加速器研究機構(KEK)が共同で建設・運営している、J-PARCは、施設などに大きな被害を受けました。施設の復旧作業に取り組んできた結果、本年1月24日から施設利用実験を再開することになりましたのでお知らせします。
昨年の東北地方太平洋沖地震においてJ-PARCが設置されている東海村は震度6弱の揺れに見舞われ、J-PARCの各施設も大きな被害を受けました。この被害を復旧するまで施設の運転や実験を中断せざるを得ない状況になりましたが、長期間の実験停止は多岐にわたる科学研究・技術の発展を停滞させるばかりでなく、各国と熾烈な競争を繰り広げている我が国の最先端科学研究の進展にも影響しかねません。
J-PARCでは1日も早い運転再開を目指し、職員・関係者は一丸となって復旧作業に取り組みました。その結果、震災後の5月に目標として定めた復旧工程どおり昨年12月からビーム試験を開始しました。機器の健全性も確認されたため、本年1月24日から施設利用実験を再開することとなりました。
これは、文部科学省はじめ、茨城県、東海村など関係機関、さらに実際に復旧作業にあたられた各企業の皆様などの多大なご支援、ご協力の賜であると感謝するとともに、職員・関係者の施設復旧と運転再開に向けた熱意と努力の結果でもあります。 平成23年度内には2ヶ月程度、国内外の研究者がJ-PARCを利用して実験・研究を行う施設利用実験を実施する予定です。