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タンパク質合成因子のRNA合成における新たな役割を解明~翻訳因子がRNA合成因子として働いていた可能性~

2012年1月16日

独立行政法人 産業技術総合研究所【理事長 野間口 有】(以下「産総研」という)バイオメディカル研究部門【研究部門長 織田 雅直】RNAプロセシング研究グループ 富田 耕造 研究グループ長、竹下 大二郎 研究員らは、Qβウイルス由来のRNA合成酵素(β-サブユニット)と宿主(大腸菌)由来の2つの翻訳因子が複合体を形成し、複合体中の翻訳因子がRNAの合成伸長過程を促進する新たな機能を有することを発見した。この発見は、RNAをゲノムとして有していたと考えられる太古生命体では、翻訳因子がRNA合成酵素の補因子としての役割を担っていた可能性を示唆する。

本研究は独立行政法人 科学技術振興機構(JST) 戦略的創造研究推進事業 個人型研究(さきがけ)「RNAと生体機能」研究領域【研究総括 微生物化学研究所長 野本 明男】における研究課題「RNA末端合成プロセス装置の分子基盤」、独立行政法人 日本学術振興会(JSPS) 最先端次世代開発支援プログラム(NEXT Program)「RNA合成酵素の反応制御機構の解明(代表者 富田 耕造)」の一環として行われた。また、X 線回折データは大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構(KEK)のフォトンファクトリーを利用して取得した。本成果は、2012年1月16日(日本時間)に、Nature Structural & Molecular Biologyのオンライン版に掲載される。

産総研プレスリリースより引用

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新聞掲載等

2012.01.16
化学工業日報 9面