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第1回東大新領域・KEK 連携教育シンポジウム開催

物構研トピックス
2012年9月12日

9月11日、機構内にて大学院教育における、新たな連携を目指した東京大学大学院新領域創成科学研究科とKEK物構研のコラボレーション・シンポジウムが開催されました。これまでにも「現象の可視化」をテーマにしたシンポジウムなど行われてきましたが、今年度よりKEKの大学等連携支援事業の一環として新たに位置づけられ、双方の研究交流を目的として今回キックオフしました。

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講演会場の様子


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冒頭、佐々木裕次教授(東京大学 新領域)の挨拶により、大型研究施設・計算機といった双方が持つ施設の利用や、研究者と大学院生が直接交流することで活性化を期待するなど、連携教育プログラムについて述べられました。

KEKからは、物構研が有する4つの量子ビーム、放射光、中性子、ミュオン、低速陽電子それぞれの施設概要と最新の研究成果を交えた主な研究、測定について紹介されました。これら量子ビームの総合的な利用は物構研の特徴であり、山田和芳KEK物構研所長は、それぞれの個性を失わずに、全体の調和を生み出すオーケストラのハーモニーに例えて説明し、連携による新たな展開に期待を寄せました。

そして東大新領域からは、ソフトマターの流体現象や、KEKでも行われているX線光電子分光法のノイズを低減させるための計算科学からのアプローチについて発表がありました。物質科学では、金ナノ粒子の光励起による格子振動の観測、生命科学では金ナノ粒子をマーキングに利用しタンパク質の動きを観察するなど、現象の可視化に重点を置いた発表でした。

最後に「各分野で行われている、測定・解析・シミュレーションなどの手法を融合し連携することで、今後新たな大学院教育の姿を構築していきたい。」と足立伸一KEK物構研教授が締めくくりました。


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