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日台 中性子・放射光利用の研究会を開催

物構研トピックス
2013年3月 1日

2月25日、26日KEK東海キャンパスにて、The 5th Japan-Taiwan Joint Meeting on Neutron and X-ray Scatteringが開催されました。この研究会は日本と台湾の中性子散乱、X線散乱を用いた研究、特にソフトマターに関する研究について交流を深めることを目的としており、2006年に東海村で第1回目の研究会が開かれて以降、1年ごとの交互開催を行ってきました。第5回目の研究会は2011年3月22日に開催される予定でしたが東日本大震災の影響で延期され、約2年越しの開催がようやく実現しました。

集合写真

研究会では台湾から12名、日本から16名の招待講演者によって細胞膜の主成分であるリン脂質や石けんといった界面活性剤、ゴムやゲル、DNAなどの高分子、さらにはペプチドやタンパク質といった生体分子が作るナノ構造について、中性子やX線を用いた研究結果に関する講演が行われました。また、日本の中性子・ミュオン実験施設であるJ-PARC / MLFや放射光実験施設であるSPring-8、台湾の放射光実験施設であるNSRRCといった実験施設における装置や実験手法に関する情報交換も行われ、質疑応答では互いの研究に対する関心の高さから、和やかでありながらも熱気を帯びた議論で盛り上がりました。

27日に行われたJ-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)の見学では、中性子の発生源や装置について詳細な説明が行われました。運転中であったため残念ながら遮蔽体の中の装置本体を見学することはできませんでしたが参加者の関心は高く、今回の研究会をきっかけとしてさらに活発な人材交流へとつながることが期待されます。


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