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KEK

サイエンスキャンプDX開催

物構研ハイライト
2014年1月27日

2013年12月24日(火)から27日(金)にかけて、KEKつくばキャンパスで、独立法人科学技術振興機構(JST)が主催する3泊4日のサイエンスキャンプが開催されました。参加者は全国から集まった高校生20名。生徒たちは全体で行われる実習、講義、見学に参加し、5名ずつAからDの4つのコースの実習に分かれ、研究さながらに実験を行い、結果の考察を行い、最終日には発表を行いました。

Aコースは「宇宙線μ粒子の速度測定」、Bコースは「光の回折を使って、目に見えないものを見てみよう」、Cコースは「磁石の性質を調べてみよう」、Dコースは「ガンマ線の物質透過実験」を行いました。各コースの実習はいづれも、KEKで素粒子・原子核の研究や物質の構造を探求する研究で実際に行われている原理や手法をアレンジしたものです。

今回は、講師であるKEKの研究者に加え、理科科目の履修状況、理解度や興味の持ち方など、参加高校生の現状についてのアドバイス及び理解の助けとなるサポートや、宿泊施設での生活指導を行っていただくために、全日にわたり、アドバイザーとして茨城県立竜ヶ崎第一高等学校の大西武彦教諭と茨城県立玉造工業高等学校の齊藤孝通教諭にご協力をいただきました。特に、初日の夜にはKEKの職員会館において、初対面の生徒さん同士が親しくなるために、両教諭による「アイスブレイク」と呼ばれる時間が設けられ、2日目から本格的に始まる実習の共同作業に備えました。

Aコースの実習の様子
Bコースの実習の様子
Cコースの実習の様子
Dコースの実習の様子

期間中、参加者の皆さんは宿泊や食事も一緒です。2日目の夕食は、KEKの研究者も参加し、KEKで進められている加速器を使った様々な科学に対する疑問や研究に対する質問を交えての交流会となりました。夕食のあとは、グループに別れ、「宇宙に関する話」、「福島の放射能汚染及び除染に関する話」、「放射線医療に関する話」、「キャリアパスに関する話」といったテーマで、研究者と意見を交換しました。

3日間、それぞれのコースにチャレンジした受講生は、最終日の研究発表会の後、鈴木厚人機構長の講義を受け、「皆さん、本物の博士号を取得するようがんばって勉強を続けてください。」というメッセージと共に、「未来の博士号」と書かれた修了証を受け取りました。

参加した高校生からは、「誤差軽減の工夫と実験後の考察が非常に重要であると身を以て、体感できた。」、「今回、自分達が行った実験が、そのままフォトン・ファクトリーの実験機器にも利用されていることを知る事ができ、今までにしたことのある実験を、もう一度見直したてみたいと思った。」、「物理のことだけでなく数学的なことも学べてよかった。三角関数が一体どんな時に役に立つのかが身を以て良くわかった。」、「なんといっても、同じ志を持つ仲間と出会えてよかったです。共通の話題でわいわいと盛り上がれたことは、涙が出るほどうれしかったです。」といった感想がありました。

また、KEK でのサイエンスキャンプへの参加を考えている皆さんに対しても、「私も最初は不安でいっぱいでした。でも、大丈夫です。学びたいと思う気持ちさえあれば、優しい先生方や、同じ志を持つ仲間がどんな時にも助けてくれます。」といったメッセージを寄せてもらいました。

未来の博士号を持って全員集合

今回のサイエンスキャンプの日程は以下の通りでした。

1日目 12月24日(火)

12:50 集合受付
13:00~14:15 開講式、自己紹介、オリエンテーション等
14:25~15:55 全体実習(霧箱)
16:05~18:00 コース別実習
18:10~18:25 宿舎チェックイン
18:30~19:30 夕食
19:35~20:35 アイスブレイク
20:35~21:00 フォローアップ

2日目 12月25日(水)

9:00~10:00 導入講義
10:20~12:20 施設見学
12:30~13:30 昼食
13:30~17:50 コース別実習
18:00~20:00 交流会
20:05~21:00 夜ミーティング(フォローアップ)

3日目 12月26日(木)

9:00~12:00 コース別実習
12:05~12:55 昼食
13:00~17:50 コース別実習+実習まとめ、発表準備
18:00~19:00 夕食
19:05~21:00 実習まとめ、発表準備

4日目 12月27日(金)

8:00~8:20 宿舎チェックアウト
8:30~9:20 発表準備
9:20~11:30 発表準備、発表会*1
11:40~12:30 ランチョンレクチャー
12:40~13:30 閉講式・記念撮影
13:30 解散

*1 コース毎に持ち時間(30分程度)を定めて発表を行い、質疑討論を行う。

関連サイト

独立法人科学技術振興機構(JST)
JST サイエンスキャンプ