3月22日の午後、KEKつくばキャンパスにおいて、第1回KEK/AIST施設見学・意見交換会が開催されました。高エネルギー加速器研究機構(KEK)と産業技術総合研究所(産総研・AIST)は、同じつくばの地に立地し、つくばイノベーションアリーナナノテクノロジー拠点(TIA-nano)*1の枠組で連携をすすめています。この会は、より強力にタッグを組んでイノベーションを推進するにあたって、まずはお互いのことを知るために企画されたものです。当日は、産総研から三木幸信理事および共用施設の責任者をはじめとする8名の方がKEKつくばキャンパスを訪れ、KEK側は9名が出席し、意見交換を行ないました。
最初にKEK野村昌治理事、AIST三木理事の挨拶から始まり、参加者の自己紹介のあと、フォトンファクトリー施設長の村上洋一教授から施設および研究活動・産業利用の紹介が行なわれました。その後、実験ホールの見学が行なわれ、BL-12C, 13A, 16A, 17A, 18Bを見学しました。「円偏光はどのように作るのですか」などの技術的な質問から、「企業のユーザーはPFをどのようなきっかけで知るのか」「申請から利用までの日数は」などの利用や制度に関することなど、さまざまな質問が飛び交いました。
見学終了後には、産総研のナノプロセシング施設(NPF)やスーパークリーンルーム(SCR)などの共用施設の紹介が行なわれ、最後に今後の連携の進め方についての意見交換が行なわれました。産総研の共用施設とKEKの放射光研究施設は、企業ユーザーのニーズに対して相補的な役割を果たせることで一致し、今後は産業利用コーディネーターのレベルで連携しながら具体的な取り組みを進めることを確認しました。
第2回は4月に、産総研において行なわれる予定です。
*1 つくばイノベーションアリーナナノテクノロジー拠点(TIA-nano)
世界水準の先端ナノテクノロジー研究設備・人材が集積するつくばにおいて、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)、国立研究開発法人物資・材料研究機構(NIMS)、国立大学法人筑波大学(筑波大)、大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構(KEK)の4機関が協力して構築したオープンイノベーションの場として2009年に設立された。2015年12月に国立大学法人東京大学(東大)が新たに参加することになり、今後は5機関を中核機関としてナノテクノロジー研究・教育拠点を形成し、我国のイノベーション創出に貢献していく。