毎週金曜日の夜、つくば駅前BiVi2階にて開催されているKEKサイエンスカフェですが、7月は物構研が担当しました。9月10月も物構研からの話題提供の予定です。お楽しみに。
七夕の夜のサイエンスカフェは、結晶の定義やどうやって作るか、調べるかをみんなで学びました。「結晶」と「結晶のようで結晶でないもの」を比べましたが、外見だけで見分けるのは難しいですね。顕微鏡で見た結晶を、携帯電話で記念撮影していた方も。うまく撮れたでしょうか?
前回のおさらいと、X線回折について学びました。構造解析の手法と、それを活用した熊井先生の研究について、原子の構造が変わると物性が変わる、だから、ほしい性質を求めて構造を作り上げるというお話でした。熱心にメモをとっている方もいらっしゃいましたし、質問の手も多く挙がりました。
結晶ができる様子を写した動画をみんなで見ましたが、キラキラしてきれいでしたね。
油脂を研究している山田先生によるサイエンスカフェは、満員御礼。昔の人は経験によって知っていた美味しいチョコのつくり方「テンパリング」を科学的に説明しました。身振り手振りを使って、チョコレートの身になっての解説でした。これを証明したのが、7月前半の熊井先生のお話で習った放射光によるX線回折だったのですね。
山田先生が実際に見てきた本場ベルギーのチョコレート作りの写真も披露されました。今どきのショコラティエは「今、チョコレートが結晶化してるんだ」と言うそうです。
7月最終週のサイエンスカフェ会場は、つくば市とつくば市内にあるチョコレート製造会社 東京フード株式会社のコラボイベント Chocosil の展示があり、テーブルにはチョコレート原料のサンプルがあるなど、いつもと違った雰囲気で始まりました。
まず講師を務めたのが東京フード 研究開発部の路川先生。チョコレートの原料から製作工程までを紹介したあと、チョコレートに含まれる油脂を原子モデルで説明してくださいました。貴重な10年モノのVI型結晶化したチョコレートも展示されました。
続いては、山田先生の解説による実食体験。テンパリングのあるなしで、触感や食感、味がどう違うのかを五感を使って感じ取りました。テンパリングしないと型から抜けにくい、パキッと割れないという感想があちこちから聞こえてきました。みんなで作ったグラフには、カカオの風味のありなしなどを、敏感に感じ取った様子が表れていました。