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KEKキャラバンにて高校生にソフトマターの科学を紹介

物構研トピックス
2017年9月14日

8月30日、物構研 副所長の瀬戸 秀紀 教授が広島大学附属高等学校の1,2年生を対象に「ソフトマターを加速器で観る~『やわらかなもの』の科学」と題して講義を行いました。 これはKEKキャラバンの一環で、同校のSSH事業「フロンティアサイエンス講義」にあたります。

身の回りにあふれているやわらかな物質を形作る分子がどのように自発的に秩序化し、さまざまな性質を示すのか、これを理解することは材料開発に役立つだけでなく、生命現象の謎を解くことにもつながります。 ソフトマターは、紐のような形の分子が絡み合ったり、棒状の分子が方向を揃えて並んだりしながら階層的構造をつくっていますが、形だけでなく運動状態にも階層性が見られます。
講義では、加速器から作りだされる放射光や中性子線などの量子ビームが、ソフトマターの階層的な構造と運動状態を明らかにするための強力なツールであること、それぞれの利点を組み合わせてソフトマターへの理解が深まっていること、でもまだまだ分からないことがたくさんあることを解説しました。

講義後、生徒たちからは、動画を使った解説や、たくさんの身近な物質の例示などで「今日の講義はわかりやすかった!」「興味が持てた!」という感想が多数聞かれました。 また、講義の終わりには教授自身の研究への視点や進路選択のエピソードの紹介があり、 これから進路を決める学年や理系に進む予定のクラスのみなさんには刺激になったのではないでしょうか。

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講義のようす(写真:広島大学附属高等学校 ご提供)