2017年12月12日~14日に、フォトンファクトリー(PF)にて、Nanotech CUPAL N.I.P.コース「第6回 放射光利用技術入門コース」が開催されました。 今回は粉末X線回折がテーマで、参加者は7名でした。
初日は座学で、放射光の特長や基礎について小林 克己 名誉教授、放射光を利用した各種分析手法について飯田 厚夫 名誉教授、 分析手法と粉末X線回折の事例について植草 秀裕 東京工業大学 准教授から講義を受けました。
2日目からは、物質構造科学研究所 放射光科学第二研究系 佐賀山 基 准教授が講師を務め、PFのビームラインBL-8Aでの実習および解析実習を行いました。
まずビームラインの説明を受けた後、X線回折計の光学調整について実習しました。
次に、実験ハッチ2階の試料準備コーナーで、参加者それぞれが試料を作成しました。
試料はペロブスカイト型遷移金属酸化物で、メノウ乳鉢を使ってすり潰した後、溶媒を入れてかき混ぜ静置し、その上澄み液を取り出し乾燥させます。
そのようにして取り出した細かく粒の揃った結晶を、顕微鏡で確認しながらキャピラリという容器に密封します。
でき上がった試料を粉末X線回折測定装置にセットします。装置の中で試料が回転しますが、その回転中心に試料がくるように、CCDカメラの映像をハッチの外のモニターで確認しながら微調整が必要です。
測定終了後、別室で測定データの解析実習を行いました。
受講者の一人にお話を伺うと、 「今まで粉末X線を使ったことはなかったのですが、近い将来使うことになるかもしれないと考え、受講しました。 実習はとても楽しかったです。今回学んだことを活かしていきたいと思います。」とのことでした。
次回の入門コースは、X線イメージングが予定されています。
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