つくばエキスポセンターは、1985年(昭和60年)開催の国際科学技術博覧会開催に合わせて建設され、翌年春にオープンした科学館です。 直立したオレンジのロケットは、つくばのランドマークにもなっています。
今年度は、2017年11月18日~2018年3月18日にミニ企画展「チョコっとサイエンス」が開かれていて、 その一環として2月10日の午後、ミーツ・ザ・サイエンス「チョコレイト・サイエンス」を開催しました。 中学生から70代の方まで、22人が参加しました。 今回のチョコレイト・サイエンスには、つくば市にあるチョコレート製造会社 東京フード株式会社から、製品の研究開発に携わる久保 健介さんと加藤 佑実さんが応援に駆けつけてくださいました。 チョコレートのプロフェッショナルの話を聞きながら実験を楽しむことができました。
実験前の解説では、東京フードさんの提供で、 焙煎されたカカオ豆の皮をむいて、中身(カカオニブ)の味を確かめたり、 カカオマス、ココアバター(カカオマスから取り出した油脂)、ココアパウダー(カカオマスからココアバターを除いたもの)の試食もありました。 会場からは「ココアバターは食感はチョコレートだけど、味がしない。カカオマスはチョコレート風味だけど、甘くない」という感想が聞こえてきました。 その通り、チョコレートの食感の決め手はココアバターにあります。 食品物理学に則した解説を聞いた後は、いよいよ実験です。
実験では、刻まれたチョコレートを湯せんで融かして冷蔵庫に入れた「単純冷却」、 温度制御をした「テンパリング」、 一度融かしたチョコレートに結晶の種を入れて同じ型の結晶を作る「種結晶法」の3種を作りました。
試食タイムには、3種のチョコレートを型からの外しやすさ、裏返して見たときのつやを比べたり、 割ったり噛んだりしたときの音や硬さも比べました。 参加者からは、「種結晶法は、テンパリングと同じかそれ以上に上手にできる。しかも簡単!」と言った声や、 「いつもは単純に冷やす方法で作っていました。テンパリングや種結晶法だと同じ材料でこれだけ味に違いが出ることにとても驚きました。」などの感想が聞かれました。
チョコレートの魅力を科学的に伝えるミニ企画展「チョコっとサイエンス」のパネル展示には、物質構造科学研究所も協力しています。
会期中の毎週日曜日にはエキスポセンター解説員による「解説ツアー&テイスティング」が開催されます。
テイスティングではチョコレートを食べて産地当てクイズができます。簡単ではありませんが、挑戦してみてください。
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