2月18日(日)つくばSKIPアカデミーの小中学生32人がKEKを訪れました。
つくばSKIPアカデミーは、筑波大学が主催する小中学生を対象とした人材育成プログラムで、市内の様々な研究機関での体験を通して、サイエンスについての幅広い知識・興味を深めることを目的としています。
生徒たちは、千田俊哉 構造生物学研究センター長のオリエンテーションを受けた後、放射光科学研究施設フォトンファクトリー(PF)を見学しました。最初は少し緊張ぎみだった生徒も、初めて見るビームラインの装置や、研究者が実験をしている様子に興味を持ち、加速器のしくみや、研究内容について、積極的に質問をしていました。
午後は、4つの班に分かれてタンパク質の結晶を作る実習を行いました。タンパク質を結晶化するには、種類によってかたちもできる条件も違うので、様々な条件を試さなければなりません。マイクロピペットを使って、卵白からできたタンパク質液と結晶化液を混ぜ、結晶化プレートに並べます。初めて扱う実験用具でのち密な作業に、皆、真剣に取り組んでいました。少し時間をおいて顕微鏡をのぞいてみると、小さなリゾチウムの結晶が観察でき、スケッチしたり写真を撮ったりする姿が見うけられました。
実習の間には交代で、構造生物学研究センター(SBRC)の結晶化ロボットを見学しました。先ほど手作業で行っていた作業を、結晶化ロボットは一度に96種類のサンプルを作成していきます。その様子を見て「人がやる場合とロボットがやる場合の違い、正確さや効率などを実感しました。」との感想がよせられました。
最後に千田センター長は「今日、ここで疑問に思ったことや、不思議だと感じたことを大人になるまで忘れないで。」と、メッセージを送りました。元気いっぱいで帰っていった未来の科学者たちが、いつの日か研究者としてKEKを訪れる日が来ることを楽しみにしています。