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東大などの研究グループ、X線自由電子レーザーによる高調波発生を利用した元素マッピングの基礎技術を実証

物構研トピックス
2018年5月28日

東京大学 物性研究所の 松田 巌 准教授と 赤井 久純 特任研究員らの研究グループは、理化学研究所の 矢橋 牧名 グループディレクター、東京大学大学院 新領域創成科学研究科の 有馬 孝尚 教授、東京理科大学の 小嗣 真人 准教授、分子科学研究所の 繁政 英治 技術課長、高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所の 組頭 広志 特別教授の各研究グループと共同で、X線自由電子レーザー施設SACLAを用いた軟X線の非線形光学効果(第二次高調波発生)を観測することに成功しました。また光物性の量子力学計算によって、この信号発生は内殻共鳴効果が二重に発生することで増幅されることも明らかになりました。

物質の界面や対称性の破れた特殊な秩序を観測できる非線形光学信号に、元素選択性を持つ軟X線を用いることで、界面の元素マッピングや界面で起こる現象を選択的に観測できると考えられます。 本結果はその観測が技術的に可能であることを実証しました。今後、新たな材料分析法として、様々な利用が期待されます。

本研究成果は5月28日、アメリカ物理学会の速報誌 Physical Review Letters に掲載されました。

SACLAで実施した軟X線自由電子レーザーによる実験
GaFeO3結晶における軟X線非線形光学効果

関連情報:東京大学 物性研究所のプレスリリース「上下の環境が異なる特定元素のみをマッピングする基礎技術を実証 X線自由電子レーザーによる高調波発生を利用」

関連ページ:フォトンファクトリー 組頭研究室