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東大などの研究グループ、CoPd薄膜界面にて磁化を膜垂直方向に揃える界面電子軌道の形を解明

物構研トピックス
2018年5月29日

東京大学大学院理学系研究科の岡林 潤 准教授、物質・材料研究機構の三浦 良雄 独立研究者、東京工業大学の宗片 比呂夫 教授からなる研究グループは、コバルト(Co)とパラジウム(Pd)の薄膜界面に膜垂直方向の磁化が生じるメカニズムを、放射光を用いたX線磁気円二色性(XMCD)と第一原理計算によって明らかにしました。 Co原子とPd原子内の電子軌道の形を明確にし、CoとPdの界面でのスピンと軌道の相互作用によって垂直に磁化が揃うことを実証しました。

この研究において、XMCDの測定は、分子科学研究所 極端紫外光研究施設(UVSOR)のビームラインにて、 また、CoとPdの軌道の異方性を明確にするための実験は、KEK フォトンファクトリーの東京大学大学院 理学系研究科 附属スペクトル化学研究センター所属のビームライン BL-7Aにて行われました。

この研究成果により、強磁性体であるCoと、非磁性体であるPdが接合した界面に誘起される磁性に関する理解が深まるだけでなく、界面原子中の電子スピンと電子軌道を利用したスピン軌道光学の発展に繋がることが期待されます。

(a)設計したCoPd薄膜の模式図 (b)Co,Pdの各元素における円変更によるX線吸収スペクトルとXMCDスペクトル
(c)XMCDおよび第一原理計算から得られた界面近傍のCo原子とPd原子の軌道状態の模式図

関連情報東京大学のプレスリリース「コバルトとパラジウムから成る薄膜界面にて磁化を膜垂直方向に揃える界面電子軌道の形が明らかに-スピン軌道工学に道―」

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