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多摩六都科学館にて「イマドキの生物学者になってみよう」を開催

物構研トピックス
2018年8月24日

多摩六都科学館は、東京都の小平市・東村山市・清瀬市・東久留米市・西東京市の5市で運営されている科学館で、西東京市にあり、 観察・実験・工作が楽しめるイベントを多数開催しています。

8月18日、多摩六都科学館2階の科学学習室で実験イベント「イマドキの生物学者になってみよう~タンパク質の結晶を作ろう~」を開催しました。小学1年生から大人まで25人が参加しました。

まず、講師を務めた物構研 構造生物学研究センターの長瀬 里沙さんが、イマドキの生物学者(構造生物学者)がタンパク質の結晶を作る理由を説明しました。生き物の体の中で働くタンパク質のかたちが分かると、そのタンパク質の働きがわかります。タンパク質のかたちを知るために、タンパク質を結晶にしてX線をあて、結晶からの反射のパターンを見て、構造を解析します。X線構造解析という分析手法です。
そのためには、まず、タンパク質を結晶にしなければなりません。実際の研究では、結晶になる条件を探すために幾通りもの組合せを試していくのですが、今回は、よく知られた「リゾチウム」の結晶作りに挑戦です。構造生物学を目指す者なら誰でも作ったことがある結晶なのだそうです。

まず説明を聞きます
講師の長瀬 里沙さん(写真ご提供:多摩六都科学館)

初めに、長瀬さんから実験の手順の説明があり、一人ずつ、タンパク質液と結晶化液を適量混ぜた水滴を作っていきました。マイクロピペットを使うのは初めて、という参加者も多く、ピペットの使い方を練習しながら実験しました。結晶化するまでには数十分の時間が必要なので、その間に、顕微鏡の使い方の練習もしました。

慎重に結晶を作るための液をガラスに落としているところ
結晶化プレートを密封しているところ
9班に分かれて実験しました
顕微鏡の使い方の練習中(写真ご提供:多摩六都科学館)
観察の時間「できたかな~?」
顕微鏡で見えるものを写真に撮ります

残念ながら、今回は全ての班で結晶化がうまくいきませんでした。そこで、長瀬さんが前日に作っておいた結晶をそれぞれ顕微鏡で観察しました。顕微鏡を覗いたとたん「こんなにたくさん出るの?」という驚きの声や、「凄い!」と言ってカメラを向ける姿が見られました。
終了後のアンケートには、もちろん「残念だった」という声もありましたが、小中学生からは「自分で作った結晶は見られなかったけど、実験は楽しかった」という感想や、小学生の保護者の方からは「実験が成功しないこともあるということも学べて良かったです」との感想も聞かれました。


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