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東北大ほか、GaN高速トランジスタの表面電子捕獲のナノスケールその場分析にはじめて成功

物構研トピックス
2018年9月20日

東北大学 電気通信研究所を中心とする産学連携共同研究グループは、窒化ガリウム(GaN)を用いた無線通信用高速トランジスタ(GaN-HEMT)の出力を低下させる表面電子捕獲の定量的なナノスケール分析にはじめて成功し、その分析結果に基づいて表面保護膜による表面電子捕獲の抑制機構を解明しました。
GaN-HEMTは超スマート社会の基盤インフラとなる超高速情報通信の中核を担うキーデバイスの一つであり、日本が世界を先導している数少ないエレクトロニクス分野の一つです。本研究の成果は、GaN-HEMTの更なる高出力化をもたらすものです。

オペランド顕微光電子分光によるGaN-HEMTの表面電子捕獲の機構解明

研究グループはSPring-8に設置されている東京大学アウトステーションのオペランド顕微光電子分光装置を用いて、GaN-HEMTの研究を行いました。 オペランド顕微光電子分光法とは、光電子分光法に高い顕微機能(分解能:70 nm)を持たせ、デバイス動作下(オペランド)で行う分光法のことです。
この装置は、KEK 物質構造科学研究所 放射光科学研究施設の堀場 弘司 准教授が東京大学在籍時に製作に携わったもので、 電圧印加下で電子状態観察が行えて、分光測定と同時に電気特性の評価ができるので、デバイス表面電子状態の定量的な微視的分析が可能です。

オペランド顕微X線光電子分光法の概略

関連情報東北大学のプレスリリース 「GaN無線通信用高速トランジスタの表面電子捕獲のナノスケールその場分析 ~超スマート社会を支える次世代無線通信デバイスの出力を向上~」2018.9.14