1月27日(日)、筑波大学が主催する科学技術人材育成プログラム「つくばSKIPアカデミー」の小中学生39名と「筑波大学GFEST」の中高校生4名が、構造生物学研究センター(SBRC)スタッフの指導のもと実習を行いました。 つくばSKIPアカデミーの生徒がSBRCの実習に訪れるのは昨年に続いて2回目で、筑波大学の学生もスタッフとして活躍しました。
*つくばSKIPアカデミーは、JSTの次世代科学技術人材育成事業「ジュニアドクター育成塾」に採択され、実施されています。 つくばSKIPアカデミーは、つくば市内の様々な研究機関での体験を通して、サイエンスについての幅広い知識・興味を深めることを目的としています。 また、筑波大学GFESTは科学・技術に関する強い興味と関心がある高校生向けのプログラムです。
つくば市のみならず各地から集まった生徒たちは、千田俊哉 構造生物学研究センター長のオリエンテーションを受けた後、放射光科学研究施設フォトンファクトリー(PF)を見学しました。千田センター長の話の中にあった構造生物学とPFの施設が具体的にどう結びつくのか質問をする生徒もいました。
午後は、6つの班に分かれてタンパク質の結晶化実験を行いました。マイクロピペットを使って、タンパク質液(卵白リゾチウム)と結晶化液(塩と酢酸の混合液)をガラスの上に乗せ、裏返して結晶化プレートに並べます。魔法の液を加えたものとそうでないもので、結晶のでき方がどう違うかを比べました。
実験後、同じ班のメンバーが出した結果を表にしてまとめている生徒や、魔法の液とは何かを見事当てた生徒もいました。
筑波大学GFESTの中高校生は、結晶化実験に加えて、金魚すくいならぬ「結晶すくい」の体験と結晶の性質を調べる実験をしました。
クライオループと呼ばれる、金魚すくいのミニチュアのような道具で、長さ0.5 mmほどに成長した結晶をすくいます。
2種類の溶液の中にすくった結晶を移し、その後の変化を調べました。溶液の違いによって、結晶に変化が起きたことを顕微鏡で確認しました。
また、結晶を液体窒素の液中に浸す作業にも挑戦しました。これは、結晶をPFに移動して放射光実験をするための準備作業です。
高校生たちは真剣に実習に取り組み、疑問に思ったことを次々と質問していました。
最後に、千田センター長から挨拶があり、科学を志す生徒たちに「研究者は、与えられた問題を解くのではなくて、何を解けばいいか問題を考えて作っていかなければなりません。」と述べ、さらに「これからは国際化の時代です。大勢の中でも手を挙げて自分の意見を言えるようになることが大切です」とアドバイスしました。
見学や実習の感想文には「フォトンファクトリーが大きくて驚いた」、「タンパク質を身近に感じ興味が湧いた」、「できた結晶がきれいだった」などの感想が用紙にぎっしりと書かれていました。
「今回の実験を条件を変えて続けてみたい」と記入した生徒も多数いました。
科学に興味を持って活動を続けるみなさんの今後の成長が楽しみですね。