5月26日(日)西東京市の多摩六都科学館にて、実験イベント「イマドキの生物学者になってみよう」を開催し、小学生から大人まで24名が参加しました。
多摩六都科学館とKEKは、共催のイベントや講演会などを定期的に開催しています。今回のイベントでは、研究者が実際に使用している器具や試料を用い、タンパク質を結晶化する実験を通してサイエンスに興味をもってもらおうという目的で、物構研 構造生物学研究センターの研究者を含む6名が赴き、講義と実験を行ないました。
はじめに、講師を務める長瀬 里沙さんが生物学の歴史やタンパク質とは何か説明し、さらにタンパク質のかたちを調べる研究をしていることや、このような研究が何の役に立っているかをスライドや動画を使って分かりやすく解説しました。
次に、リゾチームという卵白由来のタンパク質を使って結晶を作る実験を行ないました。マイクロピペットを使って結晶化液とタンパク質液を混ぜたドロップ(水滴)をガラスプレートに滴下し結晶化プレートに並べていきます。条件を変えて何種類も作らなけばなりませんが、細かい作業も根気よく行なっていました。
約20分ほどおいて顕微鏡でのぞいてみると小さな結晶を見ることができました。さらに、条件によっては結晶ができなかったり、数や大きさが違ったりするようすを観察することができました。
昨年8月に開催した同イベントでは結晶化がうまくいきませんでしたが、実験室を低温に保つなどの改善策を講じ、今回は全員が結晶を観察することができました。実際のラボでも低温環境下で実験をしていることが体験できたと思います。「楽しかった!」「また実験をしてみたい。」という感想が数多く寄せられました。