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16個の銀原子をDNAでコーティングしたナノ蛍光物質 「DNA-銀ナノクラスター」の立体構造解析に成功

物構研トピックス
2019年9月17日

上智大学理工学部物質生命理工学科・近藤次郎准教授の研究グループは、コペンハーゲン大学のTom Vosch准教授らと共同で、16個の銀原子をDNAでコーティングしたナノサイズの蛍光物質 「DNA-銀ナノクラスター」 の立体構造を観察することに成功しました。

金属をナノメートルサイズの超微粒子にすると、固体の金属とは全く異なる性質を示すことが知られており、機能性材料としても注目されています。本研究の対象となった「DNA-銀ナノクラスター」は、遠赤色光(近赤外線)の蛍光を発するという性質を持っており、生物の遺伝物質であるDNAと人体に無害な金属である銀でできていることから、細胞内の生体分子の可視化や、それに基づく病気の診断など、幅広い分野への応用が期待されています。

研究グループはフォトンファクトリーのBL-17Aにおいて、全自動測定システムを活用した放射光X線結晶構造解析を行い、「DNA-銀ナノクラスター」の立体構造を解析し、16個の銀原子のクラスターに2本のDNAが巻きついてコーティングしている様子を観察することに成功しました。この成果によって、今後は立体構造情報に基づいた銀ナノクラスターの精密なデザインが可能になると期待できます。

DNA-銀ナノクラスターの立体構造

この成果は、化学分野において世界最高峰のドイツ学術雑誌「Angewandte Chemie International Edition (アンゲバンテ・ケミー国際版)」のVery Important Paper (VIP)に選定され、2019年9月11日付でオンライン版にて先行公開されました。


詳しくは… 上智大学のプレスリリース:「16個の銀原子をDNAでコーティングしたナノ蛍光物質 「DNA-銀ナノクラスター」の 立体構造解析に成功 細胞内の生体分子の可視化、病気の診断などへの応用に期待」(2019.9.17)

論文情報:Cecilia Cerretani, Hiroki Kanazawa, Tom Vosch and Jiro Kondo
“Crystal structure of a NIR-Emitting DNA-Stabilized Ag16 Nanocluster”,
Angewandte Chemie International Edition, 2019.09.11

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