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フォトンファクトリーの共同研究者 東工大 腰原 伸也 教授が 第39回 島津賞を受賞しました

物構研トピックス
2019年12月10日

東京工業大学 理学院 化学系の腰原 伸也 教授が、第39回(2019年)島津賞を受賞しました。島津賞は、科学技術、主として科学計測に係る領域で、基礎的研究および応用・実用化研究において、著しい成果をあげた功労者を表彰するもので、腰原教授の研究業績は「超短パルスレーザー光と放射光を用いた動的構造解析法の開拓と光誘起相転移の研究」です。
腰原教授は、放射光とフェムト秒パルスレーザーを組み合わせた専用測定装置を、動作原理を含めその初期段階から開発・活用して、光で物質の性質を超高速かつ劇的に変化させる「光誘起相転移現象」という従来の概念を突破する研究分野を世界に先駆けて開拓しました。これにより超高速での情報処理や、高効率なエネルギー利用、さらには情報処理の(量子)過程制御が可能な材料開発への道が切り拓かれたことが高く評価されました。

2003年11月、科学技術振興機構JSTの戦略的創造研究推進事業の一つ ERATOにおいて腰原教授が研究総括を務める「ERATO腰原非平衡ダイナミクスプロジェクト」が立ち上がりました。 KEKは分子動画観測グループとして参画し、ERATO プロジェクトの下、時間分解 X 線ビームライン(PF-AR NW14A)の建設がスタートしました。
現在のフォトンファクトリーの時間分解X線計測技術確立は、腰原教授との共同研究に負うところが大きく、時間分解 X 線ビームラインから数多くの研究成果が生み出されています。

マンガン酸化物薄膜のピコ秒構造変化動画
Ichikawa et al. Nature Materials, 10, 101 (2011)

受賞記事


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