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望月 出海 氏が日本陽電子科学会 奨励賞を受賞

物構研トピックス
2020年1月24日

低速陽電子実験施設の望月 出海(もちづき いづみ)助教が、2019年度の日本陽電子科学会 奨励賞を受賞しました。この賞は、陽電子科学の分野で顕著な業績をあげ新進気鋭の研究者として将来の活躍が期待される研究者に対して、2年に一度授与されるものです。受賞対象となった研究は、「全反射高速陽電子回折法によるルチル型TiO2(110)-(1×2)表面原子配置の決定」です。
低速陽電子実験施設では、高強度低速陽電子ビームを用いた物質研究が行なわれています。望月氏は、この研究で、同ビームを用いた全反射高速陽電子回折(TRHEPD,トレプト)法により、TiO2(110)-(1×2)表面原子配置の決定に成功し、30年続いていた議論に決着をつけました。

TRHEPDは極めて表面敏感な陽電子による回折法です。最表面および表面下に隠れて見えない原子の種類と位置の詳細は、陽電子回折を用いれば明らかにすることができます。多方面の材料表面への応用が今後一層期待されます。

授賞式にて(2019年12月6日撮影/日本陽電子科学会 ご提供)

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