物質構造科学研究所(物構研)では、6月2日よりつくばエクスプレス(TX)つくば駅前の商業施設内にて特設の展示ブースを開設しました。 ちょっと立ち寄った方に物構研で取り組んでいるサイエンスに触れていただければという想いを込めて「POP into サイエンス」と名付けています。展示内容は数ヶ月ごとに更新の予定です。
今年度の展示は構造生物学研究センター(SBRC)が担当します。初回のテーマは「中和抗体あるときないとき」です。
SBRCでは、タンパク質のかたちを調べ、その機能や起源を解明するための研究をしています。このコロナ禍で、人々の関心が高い新型コロナウイルスと感染を防ぐ「中和抗体」について、構造を詳しく見てみようと企画しました。
中和抗体とは、ウイルスなどに感染した後やワクチンを打った後に体内で作られるタンパク質の一種です。中和抗体がウイルスにくっつくと、ヒトの細胞の受容体にくっつきにくくなります。
展示では、それらがどのようなかたちで、どんな仕組みなのかを、パネルや拡大模型、動画などで解説しています。模型では、ウイルスや中和抗体とヒトの受容体をパズルのように組み合わせて、タンパク質のかたちが機能と直結することを確かめることができます。大型パネルの裏面では、横幅いっぱいにヒトの細胞一つを描いていて、ウイルスや中和抗体、受容体がどれだけ小さいのかを感じることができます。
また、物構研のフォトンファクトリーを用いて解き明かされたタンパク質の立体構造の例を、内部が透けて見えるカラフルな模型で紹介しています。
お近くにお越しの際は、TXつくば駅直結の「トナリエ つくばスクエア」クレオ3階へぜひお立ち寄りください。
開催場所:「トナリエ つくばスクエア」クレオ3階(アクセス)
開催時間:毎日10:00〜20:00
主催:高エネルギー加速器研究機構 物質構造科学研究所
6月からの展示内容:「中和抗体あるときないとき」
予約不要・無料です