2023年12月18日から22日にかけて茨城県東海村で中性子・ミュオンユーザーの拡大や関連分野の若手育成を目的とする第7回中性子ミュオンスクール(KEK-IINAS School the 7th Neutron and Muon School:NMS)が開催されました。NMSは中性子科学およびミュオン科学に興味を持つ国内外の大学院生、若手研究者を対象に毎年全課程英語で開催されています。中性子科学、ミュオン科学分野の基礎から応用にわたるさまざまなトピックに関する講義を受けた後、少人数のグループに分かれて各実験装置を用いた実習に取り組むことで理解を深めることを目指しています。2022年開催の第6回に続いてハイブリッド方式となり、講義のみの聴講も可能となりました。世界各地から17人が現地参加し、オンライン講義には105人(登録数)が参加しました。
実習は、大強度陽子加速器施設(J-PARC)物質・生命科学実験施設(MLF)および日本原子力研究開発機構(JAEA)保有の研究炉JRR-3の装置から参加者が希望する装置を選択しました。今回の実習は、J-PARC MLFの中性子実験装置BL01 四季、BL02 DNA、BL11 PLANET、BL17 写楽、BL19 匠とミュオン実験装置S1、U1Aにおいて、各実験装置の担当スタッフのもとで実施されました。参加者は実験装置の構造や使い方を学び、試料の設置、ビーム照射、データ解析という一連の流れを体験しました。スクールの最終日には全ての参加者がプレゼンテーションを行い、実習を通して学んだことを発表しました。参加者と講師、スタッフによる投票の結果、下記3グループが表彰されました。
1位:BL19 匠(工学材料回折装置)チーム
2位:U1A(超低速ミュオン顕微鏡実験装置)チーム
3位:BL11 PLANET(超高圧中性子回折装置)チーム
プレゼンテーション賞で1位に輝いたBL19匠チームの参加者は「このスクールで有意義な講義を受け、BL19匠では素晴らしい実習を受けることができました。またとてもおいしい食事を提供していただきました。このスクールと実行委員のホスピタリティーにとても感謝しています」と話しました。
2024年度のNMSは12月9日(月)〜13日(金)に開催予定で、参加者の募集を7月中旬に開始する見込みです。