6月中旬、つくばエクスプレス(TX)つくば駅前の商業施設内で農研機構さんと共同で設置しているKEK物質構造科学研究所(物構研)の特設展示「POP intoサイエンス」KEKブースの新展示を始めました。
4回目となる今回の展示テーマは「タンパク質の立体構造を見る方法」で、2023年7月に展示を開始した前回の展示「タンパク質結晶の作り方」に続くものです。
溶液から小さなタンパク質の結晶を一つずつ取り出して凍らせ、放射光実験施設フォトンファクトリーに持ち込んで細く絞ったX線を当てます。X線はタンパク質内の電子に弾かれて進む方向を変え、検出器にその像(回折像)が映ります。X線の回折像を見ただけではタンパク質の形は分かりませんが、回折像を数学的に解析することで、タンパク質の結晶の形が分かります。形が分かると、タンパク質の機能の仕組みが理解できます。
会場には、タンパク質の立体構造を見る方法を示したバックパネルのほか、タンパク質の立体構造解析を解説した動画、さまざまなタンパク質の三次元モデルと形・機能、結晶の写真の組み合わせを知ることができるミニパネルを展示しています。また、実験で使われるタンパク質の結晶を凍らせて保存したり移動したりするための道具に触れることができます。テーブルの近くに置かれているグレーのタンクは、液体窒素を入れタンパク質の結晶を凍らせたまま運ぶためのものです。蓋を開けて中を見てみましょう。光学顕微鏡で結晶がどのように見えるか体験することもできます。