IMSS

中性子・ミュオンスクール2024開催

物構研トピックス
2025年2月 6日

2024年12月9日から13日にかけて、茨城県東海村で第8回中性子ミュオンスクール(The 8th Neutron and Muon School; NMS)が開催されました。本スクールは、中性子・ミュオンユーザーの拡大や関連分野の若手育成を目的とし、中性子科学およびミュオン科学に興味を持つ国内外の大学院生や若手研究者を対象に、全課程を英語で実施しています。スクールは前半の講義・施設見学と後半の実習・発表で構成され、日本を含む10ヵ国から31人が現地参加し、オンライン講義には延べ46人が参加しました。

中性子ミュオンスクールの参加者、講師が約45人ほど写っている

中性子ミュオンスクール集合写真

講義と施設見学

スクール前半はAYA'S LABORATORY量子ビーム研究センターにおいて、中性子科学とミュオン科学の基礎から応用にわたる多様なトピックに関する講義が行われました。2022年の第6回以降、講義はハイブリッド方式で実施されており、講義のみの聴講も可能です。講義の合間には施設ツアーが実施され、現地参加者全員が日本原子力研究開発機構(JAEA)の研究炉JRR-3および大強度陽子加速器施設(J-PARC)の物質・生命科学実験施設(MLF)を見学しました。一部の装置ではミニ実験を体験しました。

実習・発表

後半は、申し込み時に希望したJRR-3およびMLFの装置ごとに、各装置スタッフの指導のもとで実習を行い、最終日に実習を通じて学んだことを発表し、スクールの参加者と講師、スタッフによる投票で3位以上が表彰されました。

MLFは施設の不調により中性子ビームやミュオンビームを用いて実際に実験しデータを取得することはできませんでしたが、事前に用意されたデータセットを使用して解析しプレゼン資料の作成を行いました。それでも試料の作成、設置、冷却といった実験の一連の流れを実施したチームもあれば、装置の見学にとどめ、データ解析やプレゼン資料の作成に時間を割くチームもあり、それぞれ異なるアプローチが取られました。

プレゼンテーション賞

1位:ミュオンS1チーム
2位:BL18 千手チーム
3位:SANS-J チーム

プレゼンテーション賞で1位に輝いたS1チームの参加者は「ビームが出なくて残念でした。プレゼンテーションの準備を始めたときは、どうすればいいのか見当もつかなかったのですが、ビームラインの科学者がとても助けてくれました。とてもいい指導だったと思います」と話しました。

日本中性子科学界の大竹 淑恵会長(左)より記念品を贈られたプレゼンテーション賞1位のミュオンS1チーム

日本中性子科学会の大竹 淑恵 会長(左)と2位のBL18 千手チーム

日本中性子科学会の大竹 淑恵 会長(左)と3位のSANS-Jチーム

実習とプレゼンの様子

試料準備の様子(BL02)

試料準備の様子(S1)

試料設置の様子(BL18)

試料設置の様子(BL18)

試料設置の様子(S1)

液体ヘリウムで試料を冷却する様子(S1)

装置見学の様子(BL21)

装置見学の様子(U1A, S1)

議論の様子(BL19)

ホワイトボードで議論(U1A)

プレゼン準備の様子(BL01)

プレゼンの様子

実習に用いられた装置

関連サイト

The 8th Neutron and Muon School