フォトンファクトリーの木村 正雄(きむら・まさお)教授が、2026年日本鉄鋼協会 学術功績賞を受賞しました。この賞は、鉄鋼に関する学術、技術の研究において顕著な功績のあった者に対して授与されるもので、3月11日に授与式が行われました。
受賞テーマは「放射光 in situ 観察による鉄鋼関連反応の研究」です。
木村教授は、放射光X線を用いて鉄鋼材料プロセスに関連するさまざまな反応について、その場(in situ)観察技術を開発し、反応メカニズムの研究に長年取り組んできました。
放射光X線を用いた高度計測技術を、それまで使われていなかった鉄鋼関連研究に適用し、産官学の融合と新たな研究分野の創出に貢献した点で、学術・応用の両面で大きな意義があると認められました。
また近年では、放射光の先端計測で得られたビッグデータから情報を引き出すための、数理および情報科学を駆使した新たな研究にも取り組んでおり、今後の鉄鋼関連研究のパラダイムシフトにつながることが期待されています。
企業に所属していた時代から、多くの方々のご協力のおかげで、フォトンファクトリー(PF)をはじめとした国内外の放射光を使った研究を進めることができました。また、KEKに異動後も、企業と連携して先端的計測技術を鉄鋼分野に応用してきました。こうした産官学を横断した取り組みを評価いただけたことが、今後の量子ビームを使ったイノベーション展開に少しでも役立てば幸いです。