10月15日から17日の3日間、フォトンファクトリー(PF)にてXAFS講習会が行われ、大学生、大学院生など15名が参加しました。これは放射光利用者の拡大を目的として、これからXAFS(ザフス、X-ray Absorption Fine Structure / X線吸収微細構造)を始めてみようと考えている大学・公的研究機関の研究者やその学生を主な対象とした講習会です。
ビームラインにて、試料、機器の設置を行っている様子
XAFSは入射する放射光(X線)のエネルギーを変えながら試料による吸収の具合を測定する実験方法です。得られたスペクトルを解析すると、 試料中の注目した元素近傍の局所的な構造や化学状態を知ることができ、既に触媒開発などの材料研究に利用されている手法です。現在PFではPF-ARと合わせて6本のビームラインでXAFSを利用できます。
初日はXAFSの基礎的理論や測定の原理、特徴などについて全体概要に関する講習が行われました。2日目には、2グループに分かれ、PFで実際に稼働しているビームラインを用いて、ビームラインでの基本的な操作を体験した後、モデル試料を使って測定を行いました。操作方法だけでなく、混ざり方の違う試料での見え方の違いや、同じ試料で測定条件を変えたりと、試料や見たい箇所に適した測定方法を習得していきます。そして最終日には、データの解析を行いました。
今回参加した学生の中には、放射光施設を初めて利用する人もおり、分野も有機化学系、環境、薄膜等の表面など、多方面から集まりました。自身の実験スキルアップはもちろん、このように異分野との交流ができる良い機会となったようです。
(左)データの読み方について説明する様子
(右)データ解析演習の様子