12月6日(土)、7日(日)、今夏行われたサマーチャレンジの学生らが再び集まり、放射光と中性子を用いたビーム実習が行われました。
サマーチャレンジは、大学3年生を主な対象として基礎科学を担う若手の育成を目的に行っているサマースクールで、今年の「物質・生命コース」は8月21日から27日まで実施されました。 夏期は加速器が運転停止しているため、ビームを使用しない演習を行いましたが、より実際の研究に近い体験をするため、「物質・生命コース」では加速器の運転している時期に量子ビームを用いた実習を行っています。
実習は5つの班に分かれて行われ、つくばキャンパスではフォトンファクトリーで放射光を用いた実習が4班行われました。装置の概要や操作の手順について説明を受けた後、いよいよ実習です。夏の間に作成した試料を測定したり、組み立てた装置を持ち込んで分析するなど、実際に研究者が行うのと同じように実験します。取得したデータを解析し議論することで、さらに理解を深めていきます。
一方、中性子実習は東海キャンパスにあるJ-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)で行われました。夏の実習ではポータブルX線装置を用いて市販薬やカキ・ホタテの貝殻などの構造の解析を行いました。今回の実習では軽元素にも感度の高い中性子線を利用して高温超伝導体(YBCO)の構造を調べ、超伝導になるものとならないものの違いを見つけます。
実習の様子
およそ3か月ぶりに再会した学生たちは、時間を惜しんで実習に励み、また交流を深めていました。サマーチャレンジと実習は、研究室選択の時機でもある大学3年生にとって、特別な経験となったようです。