物構研の来し方を振り返るとともに、 将来を担う中堅・若手研究者の皆さんに、自らの未来の姿も重ねながら当研究所での研究活動の将来を語っていただくための、 物構研設立20周年記念シンポジウムが、昨年12月27日に KEK 小林ホールにて開催されました。 シンポジウムには、東海キャンパスでのテレビ会議を通じた参加者も含め、149名が参加しました。
物構研の山田 和芳所長は冒頭の挨拶で「今日は物構研の成人式です」と述べ、活発な議論を促しました。 続いてKEKの野村 昌治 理事が元 物構研 職員としての立場から「KEKの機構化と物構研20年の歩み」と題し、物構研の歴史と共同利用の現状について表やグラフを示しながら話しました。
続いて、19名の物構研に関わるKEK内外の中堅・若手研究者が、物構研の4つのプローブ(放射光・中性子・ミュオン・陽電子)に関し、利用研究の展望や将来の施設運営について、 さらには加速器の将来展望について、次々と講演を行いました。会場からは各講演に対し質問の手が挙がり、時間の許す限り議論が続きました。
シンポジウムの最後に、次期 物構研 所長で 分子科学研究所の小杉 信博 教授が「大学共同利用機関としての物構研の将来像」と題して講演を行いました。 小杉教授は、物構研をとりまく組織を表した模式図を掲示し「外部からは物構研がどこか分かりにくい」と述べ、 その理由として「物構研はKEKの機構化の流れの中で生まれ、組織が先だった」ためと話しました。 続いて将来像と題した模式図を示して、これからはユーザーに自分たちの研究所だと感じてもらうため「物質構造科学とは何か」を確立し、 コミュニティを作っていくべきだ、また他研究所等との連携も大切だと述べました。
各講演の要旨は、シンポジウムの プログラムからご覧いただけます。 また、各講演のスライド資料を基に、プロシーディングスを発行しました。
シンポジウムに続いて、会場隣のラウンジにて懇親会が開かれました。シンポジウム出席者の半数以上が参加し、とても賑やかな会となりました。 懇親会では、KEKの山内 正則 機構長や小間 篤 元 物構研所長、下村 理 前 物構研所長からもお祝いと励ましの言葉をいただきました。