KEKつくばキャンパスの構造生物実験準備棟前に建設されていたクライオ電子顕微鏡(クライオ電顕)のための新棟が完成し、3月16日、つくばキャンパスのほぼ中央に位置するCOI棟からのクライオ電顕の移動など引っ越し作業が開始されました。このクライオ電顕実験棟では、電顕用の試料作成から電顕による観察・データ解析までが行われる予定です。構造生物実験準備棟で使われていた実験設備の一部も移設され、物構研 構造生物学研究センター(SBRC)のスタッフをはじめ、クライオ電顕のユーザーが利用する実験棟となります。
COI棟1階奥で1週間前まで稼働していたクライオ電顕は、ジャッキアップして専用の車輪を取り付けた後、5人がかりで建物の出口まで運ばれ、フォークリフトでトラックの荷台に乗せられました。ゆっくりと5分ほど構内を移動してクライオ電顕実験棟に到着すると、慎重に荷台から降ろされ、電顕室1に運び込まれました。搬入後すぐに電顕メーカーのスタッフが設置作業を開始し、新棟の床にアンカーで固定しました。引き続き、クライオ電顕の設置・調整作業が行われ、動作確認やマニュアル再整備など、ユーザー利用再開へ向けた準備が続きます。
クライオ電顕実験棟ではこのほか、低温室の建設やクライオ電顕用の試料を作成するための実験室の中央実験台組み立てなどが始まりました。什器の設置後、構造生物実験準備棟で使われていた実験用機器が搬入され、いよいよ新棟での実験開始に向けた準備が進みます。タンパク質の精製のための実験室から廊下を隔ててすぐ隣に電顕操作室・電顕室があり、精製したばかりのタンパク質をすぐに観察することができるようになります。
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