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2025年度 物構研 定年記念最終講義が行われました

物構研トピックス
2026年4月27日

3月25日、「2025年度 定年記念最終講義」がホテル日航つくば(つくば市)にて開催されました。
本講義では、3月末日をもって定年を迎える宇佐美 徳子 特別教授、加藤 龍一 准教授、木村 正雄 教授、間瀬 一彦 教授、伊藤 晋一 教授の5名による最終講義が行われました。

講演者の先生方

宇佐美 徳子 特別教授

宇佐美特別教授は、「2/3(さんぶんのに)」と題して講演しました。学生時代の1985年にPFを初めて訪れて以来、人生の3分の2を過ごしてきたPFでの研究生活を、懐かしい写真とともに振り返りました。大学研究室での自由な研究環境がその後の人生を大きく方向づけたことや、放射線生物学を志すきっかけとなった講義や書籍、学生実験で初めて放射線を扱った経験などが語られました。また、PFプレハブ同窓会やKEK広報室での経験にも触れ、PFとともに歩んだ研究者人生を感慨深く語りました。

宇佐美先生

加藤 龍一 准教授

加藤准教授は、「分子機械としての生命と構造生物学」と題して講演しました。自身の研究者人生を、過去50年にわたる現代生物学の発展と重ね合わせて振り返り、高校時代に遺伝学に魅力を感じ理学研究科へ進学したことを研究の出発点として紹介しました。KEKでは、X線結晶構造解析やSAXSを基盤とした研究を推進し、「本当に興味を持てること」に一貫して取り組んできたと述べました。最後に、生物の多様性に触れ、今後も生物学の研究テーマは尽きることがないと語りました。

加藤先生

木村 正雄 教授

木村教授は、「材料科学と計測」をテーマに講演しました。企業と大学における研究環境の違いに触れつつ、面白い研究ができるかどうかは自分次第であると述べ、異分野の研究者と深く議論しながらも、信念を持って研究に取り組むことの重要性を強調しました。さらに、X線顕微鏡とパーシステントホモロジーを用いた現在の研究を紹介し、予想外の展開に満ちた研究人生を、苦しみながらも楽しんできたと語りました。

木村先生

間瀬 一彦 教授

間瀬教授は、「表面コインシデンス分光法と新規非蒸発型ゲッターの開発」と題して講演しました。公害問題の解決に貢献したいという思いから化学の道を志したこと、また東日本大震災を契機に、省エネルギー技術が日本の産業競争力を支えると考え、非蒸発型ゲッター(NEG)の開発に精力的に取り組んできた歩みについて、これまで関わってきた多くの人々への感謝とともに語りました。

間瀬先生

伊藤 晋一 教授

伊藤教授は、「我が研究人生、実験技術の限界に迫る中性子非弾性散乱による磁性研究」と題して講演しました。時折ユーモアを交えながら自身の経歴を振り返り、中性子非弾性散乱を用いた磁性研究に一貫して取り組んできた研究人生を語りました。また、MLF高分解能チョッパー分光器HRCの建設では、国際競争の中で中核となる技術を自ら所有するという強い信念のもと研究を進めてきたことを紹介しました。最後に、定年祝いとして贈られたHRCの模型を前に、HRCとともに歩んできた研究人生を感慨深く締めくくりました。

伊藤先生

物質構造科学研究所では、今回講演を行った5名に加え、合計6名の方が定年を迎えられました。
いずれの方も、今後も引き続き研究・業務に携わられる予定です。
長年にわたる皆さまの多大なご功績に、改めて心より敬意と感謝を申し上げます。

集合写真