PF

次世代放射光光源を用いた構造物性研究への期待

<趣旨>

物質の構造研究を通じて物性発現機構を微視的に解明する構造物性研究は、 近年の大型量子ビーム利用施設の発展と連動し、大きく発展してきた。 放射光施設では、光の特徴を活かした精密構造解析・磁気散乱・共鳴X線散乱などの 手法を駆使した構造物性研究が盛んに行われてきた。

現在、東北放射光計画やSPring-8 IIなど次期放射光光源の議論が盛んに行われている。 前者は3GeVクラスの中型放射光源とされ、高い輝度(低エミッタンス)が特徴である。 後者はSPring-8の改造計画であり、硬X線領域で回折限界を目指すとされている。 これらの次世代の光源で利用できる高い平行性、コヒーレンス、ナノビームといった光の特徴の利用や、 他のプローブとの相補利用を視野に入れて、放射光構造物性研究の将来像を議論すべき時期と言える。

そこで本研究会では、構造物性研究の現状を振り返るとともに、 近未来の構造物性研究への期待を純粋にサイエンスベースで議論し、 今後の構造物性研究の進むべき道を提案することを目指す。

<概要>

日時:2015年7月27日(月)午後~7月28日(火)(正午)

会場:研究本館1階 小林ホール 

提案代表者:有馬孝尚(東京大学 新領域創成科学研究科)

世話人:佐賀山基・中尾裕則

参加費:無料

参加申込:
下記のお申し込みフォームにてお申し込み下さい。
旅費のサポート又は宿舎の希望は締め切りましたが、旅費、宿舎を伴わないご参加は当日まで受け付けます。
ウェブでの参加申込は終了させていただきました。参加希望の方は当日会場にてお申し込み下さい。

参考)アクセスマップ及びKEK周辺宿泊・生活ガイド

懇親会:研究会の1日目終了後、ポスターセッションも兼ねて懇親会を予定しております。 是非奮ってご参加下さい。
     日時:7月27日(月)19:00~(予定)
     場所:研究本会小林ホール前のホワイエ
     会費:4000円

<プログラム> KEK Proceedings 2015-2として掲載されました。

7月27日(月)                      
12:55~13:00 はじめに(山田和芳・物構研所長)
X線コヒーレンスを利用した構造物性研究 -イメージング・XPCS-
[座長:中尾裕則(KEK・物構研)]
13:00~13:40 <「コヒーレントX線回折による次世代の構造可視化研究」
高橋幸生(阪大工) 
 (要旨)  (発表資料
13:40~14:10 「高次構造とコヒーレントX線利用、次世代構造物性」
大和田謙二(日本原子力研究開発機構)
 (要旨)  (発表資料
14:10~14:40 「共鳴軟X線小角散乱によるナノスケール磁気テクスチャの観測」
山﨑裕一(東大・理研)
 (要旨)  (発表資料
放射光源の将来 [座長:中尾裕則(KEK・物構研)]
14:40~15:10 「将来のリング型光源と超伝導先端光源の可能性」
坂中章悟(KEK・加速器) 
 (要旨)  (発表資料
15:10~15:30 コーヒーブレイク
共鳴軟X線非弾性散乱が拓く構造物性研究 [座長:山﨑裕一(東大・理研)]
15:30~16:00 「物質の新しい素励起発見を目指して ?光誘起相転移研究の立場から?」
岩野 薫(KEK・物構研) 
 (要旨)  (発表資料
16:00~16:40 「共鳴軟X線非弾性散乱と振動分光」
原田慈久(東大物性研) 
 (要旨)  (発表資料
16:40~17:10 「X線非弾性散乱による電子の動的構造の研究」
石井賢司(日本原子力研究開発機構)
 (要旨)  (発表資料
17:10~17:40 「多自由度相関系の動的構造物性」
石原純夫(東北大理) 
 (要旨)  (発表資料
17:40~ 「次世代放射光光源を用いた構造物性研究への期待」
有馬孝尚(東大・理研)
 (要旨)  (発表資料
19:00~21:00 懇親会(小林ホール前ホワイエ)
ポスターセッション(奇数・偶数)
7月28日(火)
ナノビームを用いた構造物性研究 [座長:石井賢司(日本原子力研究開発機構)]
9:00~9:30 「顕微計測が実現するマルチスケール構造物性研究」
大隅寛幸(理研) 
 (要旨)  (発表資料
9:30~10:10 「共鳴軟X線回折のマルチフェロイック関連物質への適用」
木村剛(阪大基礎工) 
 (要旨)  (発表資料
10:10~10:30 コーヒーブレイク
構造物性研究の新たな展開を目指して [座長:佐賀山 基(KEK・物構研)]
10:30~11:00 「酸化物・有機物に対する表面/界面の構造物性研究」
若林裕助(阪大基礎工)  
 (要旨)  (発表資料
11:00~11:40 「高効率物質・エネルギー変換のためのナノ材料創製」
山内美穂(九大)
 (要旨)  (発表資料
11:40~11:55 「超精密結晶構造解析による価電子の可視化」
木村宏之(東北大多元研) 
 (要旨)  (発表資料
11:55~12:10 「酸化鉄化合物のメスバウアー回折実験の試行」
池田 直(岡大院自然) 
 (要旨)  (発表資料
おわりに(村上洋一・PF施設長)



ポスター発表

ポスター
番号
発表者所属タイトル
P-01 和達 大樹 東大物性研 「遷移金属酸化物の時間分解X線回折」
 (要旨)  (ポスター
P-02 石松 直樹 広島大 「Fe高圧相のX線吸収分光測定と次世代放射光光源への期待」
 (要旨)  (ポスター
P-03 花咲 徳亮 阪大理 「パイロクロア型ニオブ酸化物における局所的変位構造」
 (要旨)  (ポスター
P-04 奥山 大輔 東北大多元研 「放射光を用いた遷移金属酸化物の外場誘起相転移の研究」
 (要旨)  (ポスター
P-05 手塚 泰久 弘前大院理工 「内殻素励起によるX線ラマン散乱を用いた電子構造の研究」
 (要旨)  (ポスター
P-06 松澤 智 東北大金研 「X線自由電子レーザーを用いたパルス強磁場中X線回折」
 (要旨)  (ポスター
P-07 佐賀山 基 KEK・物構研 「新光源における共鳴非弾性散乱実験とマルチドメイン結晶構造解析への期待」
  (要旨)  (ポスター
P-08 中尾 裕則 KEK・物構研 「コヒーレントX線回折が拓く新しい構造物性研究」
 (要旨)  (ポスター
P-09 中島 伸夫 広島大学 <チタン酸化物の局所分極の研究と次世代光源への期待」
  (要旨)  (ポスター
P-10 原田 健太郎 KEK・加速器 「PFリング弧部改造計画」
  (要旨)  (ポスター
P-11 佐久間 博 物質・材料研究機構 「鉱物/水界面の構造解析:地球科学への応用」
 (要旨)  (ポスター

Last update: 2015-10-05