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腰原 伸也氏、フンボルト賞を受賞

物構研トピックス
2014年2月 5日
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腰原 伸也 教授
(東京工業大学大学院理工学研究科物質科学専攻)

腰原 伸也氏(東京工業大学大学院理工学研究科 教授)が、独国のフンボルト賞受賞が決まりました。 同賞はドイツ政府の国際的学術活動機関であるアレキサンダー・フォン・フンボルト財団が創設した賞で、人文、社会、理工の分野において、 後世に残る重要な業績を挙げ、今後も学問の最先端で活躍すると期待される国際的に著名な研究者に対して授与されるものです。 受賞対象となった研究は、「光誘起協力現象(光誘起相転移)」です。腰原氏は、物質に光を照射することで、物質の状態が変わる「光誘起相転移」という新現象を提唱、世界に先駆けて超高速で劇的に色相、磁性、誘電性、伝導性などが光誘起で変化する多数の物質を発見してきました。 また、この研究に不可欠な「動的X線構造解析のためのビームライン」を足立 伸一KEK物構研教授らと共に開発し、フォトンファクトリーのビームラインAR-NW14Aに建設しました。世界的にも珍しい大強度のストロボの放射光源であるPF-ARの特長を活かして、このビームラインでは物質の変化していく様を 100億分の1秒のシャッタースピードで一瞬を切り取るように捉えることができます。研究では、相転移を起こすための光源として強力なパルスレーザーを組み合わせた「ポンプ・プローブ」法を用い、 光誘起のみで一瞬だけ発現する磁性状態や全く新しい物質相を多数捉えることに成功しました。

受賞対象となった研究は、「光誘起協力現象(光誘起相転移)」です。腰原氏は、物質に光を照射することで、物質の状態が変わる「光誘起相転移」という新現象を提唱、世界に先駆けて超高速で劇的に色相、磁性、誘電性、伝導性などが光誘起で変化する多数の物質を発見してきました。 また、この研究に不可欠な「動的X線構造解析のためのビームライン」を足立 伸一KEK物構研教授らと共に開発し、フォトンファクトリーのビームラインAR-NW14Aに建設しました。世界的にも珍しい大強度のストロボの放射光源であるPF-ARの特長を活かして、このビームラインでは物質の変化していく様を 100億分の1秒のシャッタースピードで一瞬を切り取るように捉えることができます。研究では、相転移を起こすための光源として強力なパルスレーザーを組み合わせた「ポンプ・プローブ」法を用い、 光誘起のみで一瞬だけ発現する磁性状態や全く新しい物質相を多数捉えることに成功しました。

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レーザー励起による分子内の磁性と構造の変化。

東工大発表、腰原氏 受賞コメント>>東工大HP
フンボルト賞について>>アレキサンダー・フォン・フンボルト財団

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