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東京大学の高橋嘉夫教授が令和8年度文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)を受賞

物構研トピックス
2026年6月 4日

フォトンファクトリー(PF)を利用して多くの成果を創出された、東京大学大学院理学研究科・地球惑星科学専攻の高橋嘉夫教授が、令和8年度文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)を受賞されました。

受賞対象は「分子地球化学の創始と発展に関する研究」です。高橋先生は、個々の元素のミクロな化学状態や構造などから、地球環境というマクロな事象を理解するという独創的なアプローチで、「分子地球化学」という分野を開拓されました。天然には様々な元素が存在していますが、同じ元素でも化学状態の違いによって挙動が全く異なり、その挙動の差が地球環境や人間の健康な生活に大きく関わることも珍しくありません。X線吸収微細構造法(XAFS:ザフス)をはじめとする放射光測定技術は、微量な元素も感度良く測定することができ、また、同じ元素でも化学状態の違いを識別することも可能です。高橋先生は、早くから放射光を地球環境の研究手段として用い、放射光技術の更なる発展に貢献されました。その一例が、高い空間分解能で元素の化学状態を識別したマッピングができる走査型透過X線顕微鏡(STXM:スティクサム)です。STXMを常設したPFのBL-19は、高橋先生のグループとPFとの共同で建設されたビームラインで、はやぶさ2が持ち帰った小惑星リュウグウの試料の分析など、宇宙における生命の誕生といった根源的な謎に迫る研究へも展開されています。

高橋嘉夫教授

高橋先生は、自身の研究分野にとどまらず、PFのユーザー団体であるPF-UAの会長を務められていた2022年に、次世代の科学者となる学生を支援する「PF-UA学生論文賞」を創設するなど、放射光科学を次世代に繋げることに熱心に取り組まれています。また、KEK一般公開や公開講座での放射光科学の普及活動や、PFの運営に関わる様々な活動にも多くのご協力をいただいています。


BL-19

BL-19Aに設置された走査型X線顕微鏡(STXM)に試料をセット(2021年 6月)

公開講座

KEKつくばキャンパスで行われた公開講座(2023年11月)


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